2005 Fiscal Year Annual Research Report
分散学習法による歯牙欠損患者への学習プログラムの作成
Project/Area Number |
17390518
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
皆木 省吾 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80190693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 哲也 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (60238160)
衣田 圭宏 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50314696)
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Keywords | 分散学習 / ラット / 行動 / 記憶 / 迷路 |
Research Abstract |
咀嚼は単に食物を粉砕し、消化の一助として機能するにとどまらず、咀嚼による中枢への入力刺激は脳内温度の上昇、脳血流量の増加や神経系の賦活化などと密接に関連しているとの示唆がある。こうした咀嚼と高次脳組織の関連性を鑑みて、本研究は、義歯により咀嚼回復した実験用ラットを用いて、長期記憶のための学習方法として効果的であると考えられている分散学習法がラット脳組織に与える影響について行動学的・組織学的に分析し、高齢多数歯欠損患者における記憶学習プログラムの作成について検討することを目的とする。 実験動物にはWistar系雄性ラットを用い、予備実験として、抜歯群、義歯装着群ならびに対照群に対して8方向放射状迷路を用いて、迷路内の8アーム全てに置かれている餌を捕食するまでのエラー数(1度捕食したアームに再度進入した数)、試行時間について観察を行った。その結果、平均エラー数は臼歯抜歯群5.70回に対して、対照群が2.57回、義歯装着群が2.63回であった。また、試行時間は臼歯抜歯群が4分56秒、義歯装着群が4分02秒、対照群が2分06秒であった。また、連続学習法・分散学習法については、それぞれの学習に関する実験条件(何日毎に再学習を行うか)について検討中である。 現在、実験動物に対して抜歯ならびに義歯装着を行い高週齢になるのを待っている。来年度には高齢歯牙欠損ラット、高齢義歯装着ラットを用いて8方向放射状迷路学習課題による分散学習法の学習効果を空間学習能力によって行動学的に評価するとともにニッスル染色を行い脳組織の器質的変化について組織学的に分析・検討する予定である。
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