2007 Fiscal Year Annual Research Report
おとり遺伝子を用いた純国産戦略による多剤耐性癌への抗癌剤治療法の応用
Project/Area Number |
17390540
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹之下 康治 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 准教授 (50117157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 浩晃 島根大学, 医学部, 講師 (90254630)
中川 和憲 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (50217668)
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Keywords | 口腔癌 / 薬剤耐性 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
MDR1遺伝子発現を制御している転写因子YB1やSp1に対するおとり遺伝子を,有効なウイルスベクターを用いた遺伝子導入法により癌細胞に効率的に導入することで,多剤耐性を克服することを検索した。MDR1遺伝子の発現には転写因子YB1やSp1の活性化が重要である。そこで,遺伝子導入法としてHVJ-リボソーム法を用いた。おとり遺伝子の導入により,YB1やSp1のプロモーター領域への結合を阻害し,MDR1遺伝子の翻訳の抑制効果を以下の方法により検索した。 1)YB-1やSp1に対するおとり遺伝子療法を臨床応用に展開していくためには,腫瘍組織における至適導入条件を確立し,臨床使用に関する基礎的資料の蓄積が必須である。そこで,ヌードマウスに形成した実験的腫瘍組織を用いてHVJ-リポソーム法による至適導入条件を確立した。 2)口腔扁平上皮癌細胞株を用いてMDR1遺伝子発現やP-糖蛋白質産生の検討を行う。NA細胞や他の癌細胞株におけるMDR1遺伝子発現をNorthern blotにより検討することで多剤耐性能とMDR1遺伝子発現量の関連を検討した。また,P-糖蛋白質の癌細胞膜状における発現をフローサイトメトリやWestern blotにて検索し,多剤耐性能と関連していることを解明した。 3)培養口腔扁平上皮癌におけるYB1やSp1の活性化の検討す。培養口腔扁平上皮癌細胞株におけるYB1やSp1の活性化をゲルシフトアッセイにより検討し,MDR1遣伝子発現量との相関や多剤耐性能との関連性を明らかにした。 4)ヌードマウスの背部皮下に培養口腔扁平上皮癌細胞を注し,再現性を持つ実験的腫瘍の形成条件を確立した。また,同腫瘍組織における薬剤耐性関連因子群が発現している事を解明し,おとり遺伝子の標的とする転写因子群の活性を検索した。
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Research Products
(2 results)