Research Abstract |
In vitroおよびin vivoの実験系で扁平上皮癌細胞内(Ca9-22 cell)にBleomycin(BLM)および細胞毒素関連遺伝子(pVIVO1-cdtB)を導入し,致死活性の発現を調べた. まず,In vitroの実験系で,Ca9-22 cellにBLMおよびpVIVO1-cdtBを導入し,Flow cytometry, Hoechst染色により細胞の状態を観察した.さらに,ヌードマウスの背部にCa9-22 cellを移植して担がんマウスを作製し,同装置を用いて担がんマウスの癌組織にBLMおよびpVIVO1-cdtBを導入し,抗腫瘍効果を検討した.また同組織から切片標本を作製しTUNEL染色,caspase-3を認識する抗体による免疫染色を行い,病理組織学的に評価した. In vitroの実験系でBLMおよびpVIVO1-cdtBをCa9-22 cellに導入したところ,強い致死活性の発現が認められた.また導入群ではsub-G1期の細胞数の増加,Annexin-V/PI陽性細胞数の増加が観察され,Hoechst染色にて核の断片化が著明に認められた.In vivoの実験系において,BLMおよびpVIVO1-cdtBを導入した群では処置後4週目で明らかな抗腫瘍効果が認められた.また,免疫染色の結果,導入群の腫瘍細胞の一部にTUNEL陽性細胞,caspase-3陽性細胞が認められた. 今回の研究でBLMおよびpVIVO1-cdtBの投与とともにSonoporationすると,薬剤と遺伝子の腫瘍におよぼす影響は増強されることが判明した.また,Sonoporationを行うことで,抗癌剤の投与量を少なくすることが可能となり,副作用の軽減がはかられることも予想された.以上の結果から,Sonoporationは悪性腫瘍に対して新しい治療法の1つとして有用であることが示唆された.
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