2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390544
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
高橋 浩二 昭和大学, 歯学部, 助教授 (40197140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綾野 理加 昭和大学, 歯学部, 助手 (50297016)
平野 薫 昭和大学, 歯学部, 助手 (00384355)
宇山 理紗 昭和大学, 歯学部, 助手 (40307054)
山下 夕香里 昭和大学, 歯学部, 兼担講師 (50260906)
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Keywords | 誤嚥性肺炎 / 不顕性誤嚥 / 頸部聴診 / 音響分析 / 昭大式嚥下法 |
Research Abstract |
本年度は誤嚥診断装置のプロトタイプとしてダイマジック社(株)と共同で、嚥下造影画像・音響分析システムを新たに構築し、嚥下音の産生部位と音響特性を明らかする目的で、健常者を対象として嚥下音産生時の造影画像と嚥下音音響信号データの同期解析を行った。 対象は健常成人12名で、各被験者8嚥下ずつ計96嚥下について食塊通過時間の測定、食塊通過音の識別と出現頻度の解析、および最大ピーク周波数の評価を行った。食塊通過時間は喉頭蓋通過時間(122.0±72,6msec変動係数(CV値):60.0%)、舌根部通過時間(184.2±56.1msec、CV値:30.5%)、食道入口部通過時間(342.7±56.1,6msec、CV値:16.4%)の順で長くなり、舌根部通過音、喉頭蓋通過音、食道入口部通過開始音、食道入口部通過途中音および食道入口部通過終了音が識別された。このうち喉頭蓋通過音が最も出現頻度が高く(96嚥下中94嚥下:97.9%)、嚥下毎の通過音の出現状況では舌根部通過音、喉頭蓋通過音、食道入口部通過開始音、食道入口部通過途中音の4音が出現するパターンが96嚥下中22嚥下(22.9%)と最も多くみられた。また最大ピーク周波数の平均値の比較では食道入口部通過開始音(370.7±222.2Hz、CV値:60.0%)が最も高く、続いて食道入口部通過途中音(349.1±205.4Hz、CV値:58.8%)、舌根部通過音(341,2±191.3Hz、CV値:56.1%)、喉頭蓋通過音(258.6±208.2Hz、CV値:80.5%)、食道入口部通過終了音(231.2±149.8Hz、CV値:64.8%)の順であった。 本研究により嚥下音の産生部位と産生部位に対応した音響特性が明らかとなるとともに、嚥下時産生音の音響特性を利用した誤嚥診断を確立するための健常嚥下音のデータを蓄積することができた。
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