2006 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌の発症・進展・転移に関わる遺伝子の探索とその臨床応用
Project/Area Number |
17390545
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
水口 純一郎 東京医科大学, 医学部, 教授 (20150188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 栄子 東京医科大学, 医学部, 講師 (50110903)
矢那瀬 紀子 東京医科大学, 医学部, 助手 (10210303)
秦 喜久美 東京医科大学, 医学部, 助手 (30287156)
千葉 博茂 東京医科大学, 医学部, 教授 (80105478)
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Keywords | 歯学 / 癌 / 遺伝子 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
本プロジェクトでは口腔扁平上皮癌原発巣および転移巣から悪性腫瘍組織を分離し、マイクロアレイ法を用いた網羅的な遺伝子解析を通して、扁平上皮癌細胞の発症・進展・転移に関与している遺伝子(群)を明らかにすることを目的としている。同一患者由来の原発および転移巣から定法に従って、数例のRNAサンプルを調製し、ジーンチップ(搭載遺伝子数、4万)を用いてマイクロアレイを行い、遺伝子発現を網羅的に解析した。転移巣由来のサンプルで遺伝子発現が原発巣に比べて3倍以上亢進している分子が数十個〜100個、一方原発巣由来の遺伝子発現が亢進しているものが数十個程度得られた。これらの分子の中には、転移に関与していることが報告されているメタロプロテアーゼ、リングフィンガー蛋白質、Aキナーゼアンカー蛋白質、IL-10ファミリーに属するサイトカイン遺伝子などが含まれていた。最終年度に向けて、転写因子、サイトカイン関連遺伝子を中心に遺伝子を絞り込み、機能解析を進めているところである。また、ストレスによって誘導されるc-Jun N-teminal kinase(JNK)が化学療法剤やインターフェロン誘導性アポトーシスに関わっていることを示した。さらに、化学療法剤とTNF-related apoptosis-inducing ligand(TRAIL)を併用すると、効率よく腫瘍細胞のアポトーシスが誘導されるが、この効率的な細胞死にもJNK活性化が関与していた。JNK誘導性の細胞死にはBaxの細胞質からミトコンドリアへの移行とBH-3単独蛋白質Bim-Lの発現上昇などが寄与していることが示された。サイトカインIL-27にはキラー細胞誘導を介した抗腫瘍効果と共に血管新生阻害作用があることを明らかにした。以上より、今年度の目標である候補遺伝子の探索とその機能解析を行い、結果を原著論文として発表した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Antiangiogenic and antitumor activities of IL-27.2006
Author(s)
Shimizu, Shimamura, Owaki, Asakawa, Fujita, Kudo, Iwakura, Takeda, Luster, Mizuguchi, Yoshimoto.
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Journal Title
Jouronal of Immunology 176(12)
Pages: 7317-7324
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