2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17390558
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
奥田 一博 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (00169228)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川瀬 知之 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (90191999)
鈴木 啓展 新潟大学, 医歯学系, 助手 (60377190)
|
Keywords | 組織工学 / 骨膜 / 骨 / 骨芽細胞 / 歯根膜細胞 / ハイドロキシアパタイト / ポリ乳酸 / 臨床比較研究 |
Research Abstract |
1.培養骨膜シートについては、患者の下顎大臼歯の付着歯肉直下より、5mm x 5mmの骨膜小片を採取後、直ちにウシ胎児血清、抗生物質、アスコルビン酸を含むMedium199にて6週間培養してシート状構造物を作成することに成功した。歯周病骨内欠損を有する患者27症例に対して、多血小板血漿+ハイドロキシアパタイト複合体とともに培養骨膜シートを移植して臨床効果を検討した。6か月予後において、培養骨膜シートを用いない多血小板血漿+ハイドロキシアパタイト複合体投与群と比較して有意に歯槽骨の再生と付着の獲得が認められた。2.培養骨の作成については、in vitroで以下の実験を行った。これまで表面を酸処理した気孔率70%のハイドロキシアパタイト多孔体ブロック試料に、ヒト骨芽細胞様細胞株MG63を播種してCO_2環境下で回転培養したところ、細胞の深部気孔への到達とそこでの増殖が顕著に促進された。新たな担体として、ポリ乳酸ニットを用いて歯根膜細胞の3次元培養を試みた。ポリ乳酸ニットにアテロコラーゲンゲルを塗布することにより細胞数が飛躍的に増加した。これよりポリ乳酸ニットも培養骨の担体として有望であることが示された。今後の展開として、1はさらに臨床症例数を増やしてかつ長期的予後を観察することで臨床比較研究として発展させてこの治療法の有効性を明らかにしたい。2に関して、ハイドロキシアパタイト多孔体ブロック試料については実験動物の背部に移植し、経時的に移植骨の正着および石灰化の状況を観察していく予定である。ポリ乳酸ニットについては細胞の播種方法に多血小板血漿やヒアルロン酸を応用をすることで細胞のさらなる高密度の培養を図る予定である。
|