2005 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病細菌の菌体間結合分子メカニズムの解明とバイオフィルム阻害剤の開発
Project/Area Number |
17390564
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
雫石 聰 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00028789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 宗雄 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (90263300)
片岡 宏介 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50283792)
前田 和彦 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助手 (00346165)
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Keywords | 歯周病細菌 / 菌体間相互作用 / バイオフィルム / GAPDH / 線毛 |
Research Abstract |
歯周病細菌が口腔内に定着し、その病原性を発揮するためには、初期デンタルプラーク形成菌との菌体間結合が重要な役割を果たしている。我々は、これまでに、有力な歯周病細菌であるPorphyromonas gingivalisと早期定着菌であるStreptococcus oralisとが強い共凝集活性を示し、この共凝集にはP.gingivalis線毛のC末端側とS.oralisの菌体表層に存在する酵素(glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase:GAPDH)が関与していることを明らかにした。GAPDH遺伝子の塩基配列は非常に保存されていることが知られており、他の口腔細菌のGAPDHもP.gingivalisの定着に関与している可能性が考えられた。 本年度の研究では、まず、種々の早期定着菌である口腔レンサ球菌の菌体表層GAPDH活性を測定し、P.gingivalisとの共凝集活性との相関を調べた。その結果、菌体表層GAPDH活性と共凝集活性との間には強い相関があることがわかった。そこで、強い活性を示した口腔レンサ球菌5種のGAPDHを精製し、P.gingivalis線毛との結合特性を生体分子間相互作用解析装置(BIAcore)で調べた結果、すべて高親和性の結合を示した。また、それらのGAPDH遺伝子には95%以上の相同性が認められた。次に、結合活性領域を同定するために、種々の酵素で分解したGAPDH画分をHPLCにより精製し、各画分のP.gingivalis線毛との結合能をBIAcoreで測定したところ、アミノ酸残基166-183の領域に強い結合活性が認められた。今後は、この領域やP.gingivalis線毛のC末端側のアミノ酸配列を基に合成ペプチドを設計し、バイオフィルム阻害剤の開発に繋げたい。
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Research Products
(1 results)