2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病細菌の菌体間結合分子メカニズムの解明とバイオフィルム阻害剤の開発
Project/Area Number |
17390564
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
雫石 聰 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (00028789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 宗雄 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (90263300)
片岡 宏介 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助手 (50283792)
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Keywords | 歯周病細菌 / 菌体間相互作用 / バイオフィルム / GAPDH / 線毛 |
Research Abstract |
歯周病細菌が口腔内に定着するためには、初期デンタルバイオフィルム形成菌との菌体間相互作用が重要な役割を果たす。我々は、これまでに、歯周病細菌Porphyromonas gingivalisの有する線毛が種々の初期デンタルバイオフィルム形成菌の表層に存在するglyceraldehyde-3-phospate dehydrogenase(GAPDH)と結合することを報告した。本研究では、まず、初期デンタルバイオフィルム形成菌の一つであるstreptococcus oralisのリコンビナントGAPDH(rGAPDH)を作製し、P.gingivalis線毛と特異的に結合することをWestern blot法および生体分子間相互作用解析装置(BIAcore)を用いて確認した。次に、rGAPDHをリシルエンドペプチダーゼで処理し、逆層カラムを用いたHPLCによりペプチド断片画分を回収し、P.gingivalis線毛を結合させたM5センサーチップを用いて各画分の結合をBIAcoreにより測定した。その結果、アミノ酸残基163-196の領域に強い結合が見られた。このペプチド断片をさらにトリプシシやアスパラギン酸特異的分解酵素などにより処理し、得られた画分の線毛結合能をBIAcoreにより測定した結果、アミノ酸残基166-183の領域が結合部位であることがわかった。この領域に相当するペプチドを化学合成し、P.gingivalis線毛との結合特性をBIAcoreにより解析したところ、特異的で高親和性の結合を示した。このペプチドは、streptococcus gordoniiでも100%の相同性が見られることや、P.gingivalis線毛とS.oralis GAPDHの結合を抑制する傾向が見られたことから、有力なP.gingivalis定着阻害剤の候補となりうるものと考えられる。
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Research Products
(1 results)