2006 Fiscal Year Annual Research Report
DNA多型を用いた法歯学的個人識別検査法の適用範囲の拡大と検査法の転換
Project/Area Number |
17390567
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
水口 清 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00133380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花岡 洋一 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (30180912)
丸山 澄 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (30366190)
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Keywords | ミトコンドリアDNA多型 / mtDNA haplogroup / Y染色体多型 / Y-STR多型 / Y binary haplogroup / 地理的由来 / X-STR多型 / SNP検査 |
Research Abstract |
81人のマレー人のミトコンドリアDNA多型の検査により見い出されたM7c1c、E、M*new1、M*new2、M*new3、M*new4、M*new5、M*new6、M*new7、M21a、D4、D*new、N9a1、N*new1、N*new2、N22b、B4a、B4c1b1、B4c、B5a、F1a1、R8、R9系統の22試料について全ゲノム配列を決定し、それぞれの系統を確立した。上記のnewで示したものはいずれも東アジアには認められていない系統で、マレー人に古い時期に人口が急増した可能性を示していた.また81人のマレー人男性のYの系統を検査し、少なくとも現在25系統に分類しており、そのうち2系統は世界的にもまだ明らかになっていない古い系統で、その他に3種の新しいbinary markerを見い出し、東アジアに広がるO系統の新しい分岐の存在が明らかになった。これらの新しいO系統は既存のマレー人のO3c、O3dが同じ起源を持ち、しかも特にO3cが日本人のものと異なる性質を持つため、これらの系統を示すマーカーが複雑な変異をおこしてきた可能性を示唆していた。マレー人のミトコンドリアDNA多型、およびY染色体多型はアフリカ、ヨーロッパに広がる系統も一部共有し、現在詳細な系統を明らかにしている段階であるが、南アジアの人の広がりの複雑さを明らかにすると共に、東アジアにおける対象者の地理的由来の推定に重要な所見となるものと思われる。X染色体多型については、16種類のX-STR多型を同時に検出するシステムを検討中であり、現在少なくとも4回のPCRで16種の多型が検査可能な状態になっている。X染色体多型は、次年度にミトコンドリア、およびY染色体多型の系統との比較により、個人識別と系統分化の両者に利用可能な特徴を検討していく計画で進めている。
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Research Products
(4 results)