2006 Fiscal Year Annual Research Report
医療者のエンパワーメントとメンタルヘルスに関する研究
Project/Area Number |
17390571
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
前田 ひとみ 宮崎大学, 医学部, 助教授 (90183607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高村 寿子 自治医科大学, 看護学部, 教授 (60100608)
影山 隆之 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (90204346)
松崎 一葉 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (10229453)
山田 美幸 宮崎大学, 医学部, 助手 (00336314)
津田 紀子 宮崎大学, 医学部, 教授 (80172021)
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Keywords | 新卒看護職者 / エンパワーメント / メンタルヘルス / 自己効力感 / 仲間 / 喜び / リフレクション |
Research Abstract |
本研究は、職業性ストレスによってパワーレス状態に陥っている新卒看護職者が組織の中で自らをコントロールしていく力(エンパワーメント)を取り戻すプロセスを支援するプログラムを開発することを目的としている。職業性ストレスアセスメントツールによる調査から新卒看護師の特徴として自尊感情が高いと抑うつリスク低く、内的統制感が高いと抑うつリスク低く、ふだん視点の転換を多く使っている人は、抑うつリスク低いことがわかった。また、問題解決指向が強いと抑うつリスクが高いことも示された。これらの結果をもとに、"仲間"と"喜び"をキーワードとして構成的グループ・エンカウンターとリフレクションを取り入れたプログラムを作成し、2つの病院と1県の看護協会で実施し、その評価を行った。 病院では入職時、6ヶ月時、11ヶ月時の3回、看護協会では6ヶ月時、11ヶ月時の2回の研修を企画し、実施した。モデル研修の評価は、R.Hosteの教育評価スケールから20項目を抽出した形容詞対(20SDQ)、Profile of Mood Status(POMS)、理解度、参加度、抑うつ状態(CES-D)、自尊感情(SE)尺度などを加えた自記式質問紙によって行った。モデル研修の受講者は、病院が148名、看護協会が173名であった。 研修の評価として、20SDQから「興味深く、有益」、「刺激的で創造的」、「わかりやすい」の3因子が抽出され、POMSの結果から受講後は前に比べて「怒り-敵意」以外の全ての項目で有意に良好な方に変化しており、自由記載からも「安心感を持つことができた」「人との接し方に少し自信がついた」といったエンパワーメントの基盤になるものが示された。しかし、その一方で「時間が長く疲れた」という回答もあったことから、短時間のプログラムも検討する必要があると考える。
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[Journal Article] 新卒看護師を対象にしたエンパワーメントプログラムの検討 -"仲間"をキーワードにした入職時研修の試み-2007
Author(s)
前田ひとみ, 山田美幸, 津田紀子, 加瀬田暢子, 久保江里, 澤田道子, 幸史子, 山本治美, 右田香魚子, 工藤祝子, 高村寿子
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Journal Title
第37回日本看護学会論文集 看護管理
Pages: 285-287
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