2006 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける日本語資料所在と現状とに関する調査
Project/Area Number |
17401011
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松原 孝俊 九州大学, 韓国研究センター, 教授 (20150378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 学 九州大学, 大学院比較社会文化研究院, 教授 (80108612)
岡村 敬二 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 教授 (90310664)
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Keywords | 日本語古典籍 / 植民地資料 / 満州 / 書誌調査 / 台湾大学蔵善本日録 / 台北帝国大学 / 長沢伴雄 / 沖縄関係資料 |
Research Abstract |
海外所在の日本典籍調査は、この20年間で急速に進展した。戦前から浮世絵調査は着手され、多くの研究成果がもたらされていたのに比べて、日本典籍関係調査は格段に遅れていた。 しかしながら、科学研究費による海外調査が許された後、本研究の代表者である松原による韓国・台湾・中国東北部(旧満州)等の調査をはじめとして、個別研究だけでも約50チームの調査報告がある。いうまでもなく、国文学研究資料館(National Institute of Japanese Literature)の海外調査は、松野陽一前館長の獅子奮迅の陣頭指揮によって、飛躍的に進み、東アジアだけではなく、ヨーロッパ・アメリカなどにおいてもその所在情報が集まってきた。日本国内の資料調査と比べると、海外調査のそれは、画一的な棒目録が作成されてきたに過ぎず、研究者の側からの学術的な視点を加えた調査や善本目録作成、さらには詳細な書誌記述などはほとんど見受けられなかった。 本研究調査においては、そうした研究の遅れを取り戻すべきであると考えて、台湾大学総図書館所蔵日本典籍(旧台北帝国大学、旧台北高等商業学校所蔵)に対して、10名の専門家が集中的に取り組んだ。善本日録を作成した中間報告が、平成18年度研究成果である。 そもそも台湾大学所蔵日本典籍の数は、約2千点、約2万2千冊。善本選択は、中野三敏教授に依頼したので、その基準にブレはない。善本として117点を選出したのち、上記の10名がそれぞれの専門的立場から書誌的な考察を行った。その書誌的項目は、20。最終年度である2008年度の完成を目指して、全力で善本日録作成を進めているが、その調査過程で得られた研究成果として、亀井森氏の力作「幕未の国学者長沢伴雄の苦悩-台湾大学蔵長沢文庫の日記・歌稿群の意義」と漢那敬子氏による力編「沖縄関係資料概説」がある
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Research Products
(1 results)