2006 Fiscal Year Annual Research Report
開発援助プロジェクトの評価方法に関する文化人類学的研究
Project/Area Number |
17401034
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 紀 千葉大学, 文学部, 教授 (40282438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇田川 拓雄 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30142764)
角田 宇子 亜細亜大学, 国際関係学部, 助教授 (20296396)
白川 千尋 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 助教授 (60319994)
関根 久雄 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 助教授 (60283462)
橋本 和也 京都文教大学, 人間学部, 教授 (90237933)
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Keywords | 国際研究者交流 / 多国籍 / 文化人類学 / 開発援助 / 評価 / NGO / JICA(国際協力機構) |
Research Abstract |
本年度は、研究代表者および研究分担者が、各自の研究分担に関する海外調査を行った。 鈴木はメキシコにおいてJICA(国際協力機構)が実施した「ソコヌスコ地域小規模生産者支援計画」の対象地域を訪問し、同計画のメキシコ側関係者、受益者に面接調査を行い、JICAによる評価結果との対比を試みた。 宇田川はバングラデシュで行われているJICAによる村落開発プロジェクト(PRDP)と、世界銀行及び国連開発計画によるプログラム(LGSP)の比較を行い、JICAによる開発援助にはセクター支援中心主義ともいうべき日本独特の集団主義的な特徴があることを見いだした。 角田はフィリピンの灌漑プロジェクトにおける外部者の介入活動の成否の要因を考察した。外部者である灌漑実施機関と受け皿となる地域の文化双方の影響によって、プロジェクトが読み替えられ土着化し、本来の意図とは異なる新たなプロジェクトの制度が作られてしまうことを事例に基づき考察した。 白川はタイ、ミャンマー、ラオスで調査を行い、JICAの社会開発プロジェクトに関与している現地ならびに日本の専門家から、既存のプロジェクト評価の効用や問題点をめぐって聞き取りなどを行った。 関根はポリネシアの2ヵ国(トンガ、サモア)を訪問し、現地における我が国のODAによる支援活動の実態に関する聞き取り調査、および現状と今後の展望に関する現地職員や派遣ボランティア、受け入れ国側機関職員との意見交換を実施し、人類学者によるODA評価のための基礎的データの収集につとめた。 橋本はフィジーにてJICAの実施した開発援助プログラムの成果について、農業リサーチセンター、水産試験場を訪ねて聞き取りを行った。また現在進行中の「地域保健看護師現任教育プロジェクト」についての調査を行った。 この他、佐藤寛(広島大学客員教授)を研究分担者としてイエメンに派遣し、農村開発プロジェクトに関連する社会調査をドナー(国際協力機構、国連機関など)から受託しているローカルコンサルタントに対するインタビューを行った。
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Research Products
(9 results)