2006 Fiscal Year Annual Research Report
境界の生産性とトランスナショナリティに関する文化人類学的研究
Project/Area Number |
17401036
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小泉 潤二 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (10153454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 直樹 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60142668)
中川 敏 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60175487)
栗本 英世 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (10192569)
石川 登 京都大学, 東南アジア研究所, 助教授 (50273503)
花渕 馨也 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教授 (50323910)
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Keywords | 文化人類学 / トランスナショナリズム / グローバリゼーション / 移民 / 国境 / 民族間関係 / モダニティ / 動態的民族誌 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトは、境界を越える人・モノ・情報の流れと、その流れがもたらす諸現象について、人類学的視点から分析を行う。本年度はプロジェクト参加者がそれぞれの調査地における「境界」に焦点を合わせて現地調査を行った。人類学的直接観察、参与観察、インタビューによる情報収集、また文献調査と統計資料の収集を行った。境界として最も重視されるのは国家間の境界である。国境を越える人の流れを中心にして、しかし同時に民族の間、都市と外部の間、モダニティの中心と外部の間のそれぞれの境界に着目しながら、調査研究を実施した。とくに上記のような境界を越えて、(1)(人を含めて)実際には何がどのように流れているのか、(2)その流れによってどのような(社会的・経済的・政治的・文化的)現象が生起するのか、(3)境界をめぐってどのような関係性が立ち現れるのか、(4)そうしたプロセスの中で、境界の「意味」がどのように揺れ、あるいは変動しているのか、(5)結局、境界領域では何が起こりつつあるのか、という問題に注目して経験的データを集めることに集中した。収集した個別データに基づき、その比較を通じて、境界の特性についての一般化を可能とし、グローバル化の進行する現代世界の動態を人類学的観点からよりよく理解することを目指して研究を進めている。本年度は、(1)グアテマラ北西部とアメリカの間の移動関係及びそこに進行する社会経済現象、(2)インド西部とアラブ首長国連邦の間の移動関係、(3)マダガスカルのコモロ島とフランスのマルセイユの間の移動関係、(4)インドネシアのフローレス島とマレーシアとの間の移動関係、(5)フランスのプロヴァンスの民族間関係と連帯経済、(6)フィジーの境界領域としての老人養護施設における民族間関係、(7)ボルネオの境界領域における社会経済プロセス、(8)南部スーダンにおける民族間関係と国家をめぐる境界の変容、について調査研究を進めた。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] 言語システムと人格問題2006
Author(s)
中川 敏
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Journal Title
Conference Handbook24, The Twenty Fourth Conferences of The English Linguistic Society of Japan, 4-5 November (English Linguistic Society of Japan)
Pages: 197-202
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