2008 Fiscal Year Annual Research Report
境界の生産性とトランスナショナリティに関する文化人類学的研究
Project/Area Number |
17401036
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小泉 潤二 Osaka University, 人間科学研究科, 教授 (10153454)
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Keywords | 文化人類学 |
Research Abstract |
最終年度である平成20年度は、過去三年度の調査結果を踏まえて、各連携研究者(昨年度までの研究分担者)がそれぞれの担当地域について最終の現地調査と文献調査を実施し、その成果をまとめた。 各調査者が担当するそれぞれのフィールドで、(1)国家間(2)民族間(3)都市(4)モダニティのそれぞれの境界について最終調査を実施した。境界を越える人的移動にともなって起こるモノと情報の流れに着目して、質的・量的資料を収集した。また境界と移動の政治学を確認するために、それぞれの調査地に関して関係者からの聞き取りと統計・文献資料の収集をおこなった。春日がフィジーにおいて約3週間、石川がアメリカ合衆国において約1週間、松川がインドのゴア州およびアラブ首長国連邦ドバイのゴア人コミュニティを対象に約3週間、中川(理)がフランスおよびモロッコにおいて約2週間、それぞれ調査を実施した。最終調査において各連携研究者は、人類学的フィールドワークによる直接観察、参与観察、インタビューを行った。これにより、各地域において、境界を越える流れおよび流れの中に立ち現れる境界の実態を明らかにするとともに、個別事例を通してあらわれる境界の一般的な特性を明らかにしようと試みた。 研究代表者と各連携研究者のあいだの継続的な討議にもとづいて、四年度間の調査結果を分析し成果としてまとめ、それらを各連携研究者が書籍および論文のかたちで刊行した。
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Research Products
(21 results)