2007 Fiscal Year Annual Research Report
高地環境における家畜と近縁野生種の生態と遺伝学的関係に関する学際的研究
Project/Area Number |
17401038
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
稲村 哲也 Aichi Prefectural University, 文学部, 教授 (00203208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 紀夫 国立民族学博物館, 国立民族学博物館, 名誉教授 (90111088)
川本 芳 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (00177750)
苅谷 愛彦 専修大学, 文学部, 准教授 (70323433)
大山 修一 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (00322347)
鵜澤 和宏 東亜大学, 人間科学部, 准教授 (60341252)
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Keywords | アンデス / ラクダ科動物 / ドメスティケーション / ビクーニャ / 牧畜 / 家畜 / 野生動物 / 遺伝 |
Research Abstract |
研究代表者の稲村哲也(文化人類学)は、ペルー中南部を広く踏査し、アンデスのラクダ科動物の牧畜形態のバリエーションについての調査を行い、また、ペルー中部太平洋岸のチャンカイ河谷の水系を河口から高原(フニン湖域)まで遡上して、ラクダ科動物のドメスティケーションの起源地域、及び海岸と高原の交流に関する予備的調査を実施した。研究分担者の苅谷愛彦(地形学)も、同水系を遡上し、流域の地形・地質の状況を調査し、(1)下流部(河成段丘)、(2)中流部土(石流段丘)、(3)上流部(峡谷・V字谷や地すべり)、および(4)高原(氷食谷・U字谷や端堆石堤・羊背岩、低平な氷河侵食・堆積地形の集合)に区分されることを確認した。研究分担者の大山修一(動物生態学)は、アチャクーチョ県の国立自然保護区パンパ・ガレーラスでラクダ科野生動物ビクーニャの生態調査を継続し、映像資料を作成し、ラクダ科野生動物の習性やドメスティケーションに関する基礎データを得た。研究分担者の川本芳(遺伝学)は、獣骨からDNAを抽出し試料化する条件を探るため、現地で調製したDNA試料を日本に輸送し、ミトコンドリア遺伝子の部分配列を解読するためのPCR条件を検討している。研究協力者の渡部森哉(考古学)は、ペルー中部チャンカイ河谷で天野博物館が発掘を行なっているシクラス遺跡と同時期の諸遺跡の調査報告を比較分析すると共に、発掘中の遺跡の最新データを収集し、先土器時代の神殿の共通性とラス・シクラス遺跡の特殊性を検討した。これらの研究成果は、学際的な本研究の推進にとって、いずれも重要な基礎的データである。
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Research Products
(17 results)