2008 Fiscal Year Annual Research Report
高地環境における家畜と近縁野生種の生態と遺伝学的関係に関する学際的研究
Project/Area Number |
17401038
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
稲村 哲也 Aichi Prefectural University, 文学部, 教授 (00203208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川本 芳 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (00177750)
大山 修一 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (00322347)
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Keywords | アンデス / リャマ / アルパカ / ビクーニャ / 牧畜 / 狩猟 / 遺伝子 / 家畜化 |
Research Abstract |
研究代表者は、アンデス高地において、リャマとアルパカの牧畜及び「殺さない狩猟」である追い込み猟チャクについて補足的調査を実施し、アンデスにおけるラクダ科動物の利用の実態に関する民族学的知見を豊かにした。また、アンデス海岸地方において、ペルー天野博物館が組織・実施している紀元前3千年期のシクラス遺跡の発掘と連携し、アンデス海岸地方と山岳地帯の交流、ラクダ科動物の家畜化及びそのアンデス文明の形成への影響などを研究し、検討した。 研究分担者の川本は、上記の稲村の研究と連携し、現地研究者に協力を得て、シクラス遺跡で推定約1,000年前の上層部から発掘された獣骨からラクダ科動物の骨を選別し、遺伝子分析を継続中である。また、遺伝子配列比較のため、現生のリャマ、アルパカのミトコンドリア遺伝子の非コード領域の配列変異の検索を行い、ペルーに生息する動物の遺伝子多様性を推定した。 研究分担者の大山は、2009年2月にペルー共和国の国立パンパ・ガレーラス自然保護区においてアルパカの祖先種と考えられるラクダ科野生動物ビクーニャの行動観察をおこなうとともに、ビクーニャの糞場に生育するジャガイモの近縁野生種の生態調査を実施した。また、アルパカの飼育、放牧形態を調査するため、近隣の村で聞き取り調査をおこない、野生種と家畜種の習性の共通点と相違点を明らかにした。
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Research Products
(9 results)