2007 Fiscal Year Annual Research Report
民主化・分権化後のインドネシアにおける地方政治経済構造の変容
Project/Area Number |
17402009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水野 広祐 Kyoto University, 東南アジア研究所, 教授 (30283659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 隆 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (40092241)
本名 純 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (10330010)
岡本 正明 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (90372549)
相沢 伸宏 アジア経済研究所, 地域研究センター, 研究員 (10432080)
見市 建 岩手県立大学, 総合政策学部, 講師 (10457749)
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Keywords | 政治学 / 民主化 / インドネシア / 地域研究 / 地方分権 |
Research Abstract |
インドネシアでは1998年のスハルト体制崩壊以降、民主化と分権化の進展によって、政治経済構造の地殻変動がおこっている。本研究はこうした地殻変動の実態を、特に地方政治に焦点を合わせて分析することを目的とした。地方政治を理解するにあたり、各研究者が各地の地方政治の特徴を分析するのみならず、インドネシア科学院(LIPI)政治学研究所との協力のもと、地方議会議員の社会学的プロフィールの収集にも努めた。2008年3月末までに、1州95県・市の地方議会議員合計3455人のデータ収集に成功した。2007年末時点でインドネシアには33州464県・市の自治体があることから、県・市については総議員数のうち約20.5%のデータを集めることができた。加えて、2004年から、地方議会議員が首長を選出する制度から直接公選制になり、候補者たちの社会学的プロフィールにも変化が見られている可能性があるとの判断から、地方首長選に出馬した正副首長候補者たちのプロフィール収集も行った。2008年初頭までに行われた297の首長選のうち、64の首長選に出馬した正副首長候補者のデータ収集に成功した。一つ明らかに言えることは、民主化後、都市部の若手中間層を基盤として台頭してきたイスラーム政党・福祉正義党が躍進していることである。ジャカルタ地方議会で第1党に躍り出たことに象徴されるように、イスラーム的倫理に基づく清廉潔白さを売りにして地方議会において着実に勢力を拡張し始めただけでなく、地方首長選では他政党同様に、選挙で勝てる俳優・女優などを擁立して「普通の政党」の様相をも見せ始めつつ、高い割合で正副首長の推薦候補を当選させることに成功している。
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Research Products
(28 results)