2005 Fiscal Year Annual Research Report
「辺境東アジア」住民のアイデンティティをめぐる国際比較調査研究
Project/Area Number |
17402012
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
林 泉忠 琉球大学, 法文学部, 助教授 (70347128)
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Keywords | アイデンティティ・ポリティクス / 「辺境東アジア」 / 「中心東アジア」 / 「帰属変更」 / 「祖国復帰」 / 国民統合 / 台湾・香港・沖縄 / 比較調査 |
Research Abstract |
17年度は、「『辺境東アジア』住民のアイデンティティをめぐる国際比較調査研究」を行う初年度で、計画通り台湾政治大学と香港大学の協力を得て、11月順調に沖縄、台湾、香港、そしてマカオにおいて電話による同時アンケート調査を行った。 調査は文化的・民族的帰属意識と政治的・国家的帰属意識と大きく二つのカテゴリーに分類して行い、前者すなわちエスニック・アイデンティティの調査結果から、地元意識の強い順は、台湾・沖縄・香港・マカオとなり、また政治的・国家的帰属意識、すなわちナショナル・アイデンティティについて、地元の政治的自立を求める志向の強さは、台湾・沖縄・香港・マカオの順になっている。さらに「自立能力」は後者を左右する最大な変数として、今回の調査からも得られた。 調査の一部の結果はすでに12月19日に沖縄で記者会見を行って公表し、台湾と香港側もそれぞれ現地のマスコミに報告した。また、広く注目された今回の調査結果の分析作業の一環として、『沖縄タイムス』で18年元旦の特集号として、さらに1月3日から四回を渡って研究代表者による連載の論考「『辺境東アジア』:躍動するアイデンティティー」を発表した。他に、雑誌論文として「『豹変』を繰り返した沖縄アイデンティティ」(『地域政策』)等も掲載された。 18年度において、二回目の調査、そして複数の学術雑誌への論文投稿を予定しており、「辺境東アジア」地域のダイナミックなアイデンティティ・ポリティクスをさらに考察していくつもりである。
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Research Products
(2 results)