2005 Fiscal Year Annual Research Report
パブリック・ディプロマシーにおけるグロ-バル・メディアの役割と国家戦略の調査
Project/Area Number |
17402014
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
井上 泰浩 広島市立大学, 国際学部, 助教授 (50347613)
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Keywords | パブリック・ディプロマシー / 外交 / 広報外交 / メディア / 政治コミュニケーション / 国際関係 / グローバル・メディア / ニュース |
Research Abstract |
平成17年度はイギリス政府「(外務省=FCO)、ならびに英外務省のシンクタンクである外交政策研究所(Foreign Policy Centre)においてパブリック・ディプロマシーの調査、また、ロンドンのBBCとアラブ首長国連邦のドバイに本部を置く中東の衛星テレビ局、アル・アラビアの調査を実施した。 イギリス外交におけるパブリック・ディプロマシー(PD)の役割について歴史的に振り返ると共に、現在のPD戦略、具体的なPDの例、財源(BBCを利用するものなど)、他国と比較した特徴、効果と評価、そして将来的な構想を探った。イギリス外務省では、パブリック・ディプロマシーの担当者から、特に以下の点に焦点を当て聞き取り調査を実施した。(1)外交過程では世論が無視できないばかりか世論の支持なしには外交政策決定はきわめて難しくなっている。この傾向は、程度の差こそあれ民主国家が大半を占める世界の国々で共通した現象であるが、イギリスの場合も世論を念頭においた政策を実施している。(2)メディアのコンスタントな監視を受け、逐一動きが報道される時代、外交政策は世論を念頭に置きながら方向付け決定していかざるを得ない状況になっており、外務省制作のテレビニュースを世界のテレビ局に無料で配信している。 また、BBCワールドサービスでは、海外向け放送の実態と課題について調査した。その際、CNNに倣って放送を開始した衛星ニュース局BBCワールドの両組織を比較検討した。 ドバイにおいては、衛星ニュース局のアル・アラビアを調査したことから、来年度はカタールのアルジャジーラの調査を計画している。
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