2006 Fiscal Year Annual Research Report
パブリック・ディプロマシーにおけるグロ-バル・メディアの役割と国家戦略の調査
Project/Area Number |
17402014
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
井上 泰浩 広島市立大学, 国際学部, 助教授 (50347613)
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Keywords | パブリック・ディプロマシー / 外交 / 広報外交 / メディア / 政治コミュニケーション / 国際関係 / グローバル・メディア / ニュース |
Research Abstract |
平成18年度はアメリカにおいてパブリック・ディプロマシーの文献調査、また、在日アメリカ大使館にて外交官から聞き取り調査、また、アニメを中心とした動画コンテントの国際流通による対外意識への影響やソフト・パワーについても調査を行い、研究を進めた。 アメリカ外交におけるパブリック・ディプロマシー(PD)の役割と、現実に行われているPD活動については、大使館で直接調査することによって大きな成果を得た。現在のアメリカPD戦略、具体的なPDの例、特に現地のメディア(つまり、日本のマスコミ)対策については大使館というPDの最前線である場所での調査でしか実像は見えてこないものである。担当の2等書記官からは、ワシントンから日々送られてくる広報戦略文書などについての説明も受けた。 動画コンテントの世界流通による対外意識への影響では、日本のアニメーション(アニメ)を中心に流通実態、アメリカのファンに焦点を当てた視聴実態のパイロット調査、また、ソフト・パワーへの影響を研究した。ソフト・パワーとは、強制や金ではなく魅力によって他国の人々をひきつける力であり、その源泉は、文化や政治的な魅力である。世界60カ国で放映された「ポケモン」は、世界の子供たちにソフトで親しみやすい日本のイメージを与え、アニメを中心にしたポップカルチャーによる市民意識への好影響は、日本のソフト・パワーと国家ブランドの強化と同時に、PDや安全保障への貢献もあることを示唆する調査結果を得た。 調査から、ソフト・パワーは日本語学習や日本のことを学ぼうという意欲に結びついており、PD戦略としては非常に効果的であることもわかった。
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Research Products
(1 results)