2005 Fiscal Year Annual Research Report
アフガニスタンとイラクにおける安定化・平和構築の課題:米国の政策・制度を中心に
Project/Area Number |
17402015
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
青井 千由紀 青山学院大学, 国際政治経済学部, 助教授 (60383494)
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Keywords | 国際協力 / 国際貢献 / 国際政治学 |
Research Abstract |
1.今回の調査(1年目)によって、アフガニスタン・イラクにおける安定化・平和構築をめぐって、米国(及び国際社会)は想像以上に深刻な課題に直面していることが明らかになった。米国の両国での対応は、米国の冷戦期とポスト冷戦期を通じた地域紛争に対する政策・制度と大きな分岐をなすと思われたが、実際、米国では政策上・制度上大きな変革がまさに両国の状況に対処するために起こりつつあることが確認できた。 2.具体的な調査活動としては、米国への研究旅行(05年8月)、学会参加(05年11月)及び外務省主催会議参加(06年2月)、そして、文献収集(インターネット資料を含む)、新聞などメディアサーチを行った。 3.確認された点は多々あるが、主要な傾向として以下の点があげられる。(1)ペンタゴン主導の実態、しかし、政策決定と実施の全てのレベルにおいてインターエージェンシーの傾向が強まったこと;(2)それに基づく具体的な組織改編;(3)ただし、米国内の多組織政策決定の方法が必ずしも民軍関係など国際的な活動調整の改善には至っていないこと;(4)安定化作業に対する国防政策上のプライオリティの付与とそれに基づく概念化・理論化の進展;(5)民主化を含む米国の地域及び世界戦略との適合性の問題などである。 4.来年度の課題 (1)国務省側の窓口が少なく、軍組織との活動調整などについてさらに調べる必要がある。(2)フィールドでのインターエージェンシーの政策実施に関わる問題など聞き込みを行う必要がある。しかし、近日はアフガニスタンにおいても治安の悪化がみられ、個人での研究旅行の計画は至難である(イラクは当初より想定外)。場合によっては、安全のため、米国における第二次聞き込み調査に変更する可能性がある。(3)米国の安全保障政策・戦略全般における安定化・復興開発の位置付けを明確にする。
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Research Products
(1 results)