2005 Fiscal Year Annual Research Report
諸外国におけるネットワークを利用した違法コピーの実態調査:経済学的視点から
Project/Area Number |
17402022
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
土門 晃二 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (00264995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 清 早稲田大学, 国際教養学術院, 教授 (10063786)
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Keywords | 著作権 / 違法コピー |
Research Abstract |
本年度は、アジア諸国を中心に現地調査を行った。ベトナム(ホーチミン)に2回、中国(北京)と韓国(ソウル)に1回、またEUおよび米国にも調査に入った。著作権保護が未成熟なアジア諸国では、インターネットの利用状況について学生にインタビューを行い、P2Pの現状について調査を行った。さらに、各国のインターネット・カフェとCDショップも調査した。また、違法コピー率が世界で最も高いベトナムでは、弁護士、歌手、マネージャーにもインタビューを行い、違法コピーがコンテンツ供給に与えている影響について詳細に調査を行った。アジア諸国では、国によってP2Pの利用状況は異なっており、今年度の一次調査では全体的な相互比較を行うことができた。 ベトナムに関しては、多くの時間を割いたこともあり、ケース・スタディーとして2つの論文にまとめた。それらは、違法コピーの取締りがない状況で、ベトナムにおいてP2Pが普及していない原因について説明している。ベトナムのインターネット・インフラの現状のもとでは、インターネットの利用費用と従来のCDの海賊版価格との比較において、海賊版に利便性が多くあることがP2P普及の足かせになっていることがわかった。また、日本に先立ち音楽のネット配信を始めた米国とEU諸国の現状分析のために、配信における価格戦略について理論的な分析も行った。コピー回数の制限による製品差別化戦略が、企業の利潤のみならず、社会的な経済厚生を高めることを一般的な不完備情報ゲームのモデルで明らかにした。
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Research Products
(3 results)