2007 Fiscal Year Annual Research Report
諸外国におけるネットワークを利用した違法コピーの実態調査:経済学的視点から
Project/Area Number |
17402022
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
土門 晃二 Waseda University, 社会科学総合学術院, 教授 (00264995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 清 早稲田大学, 国際教養学術院, 教授 (10063786)
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Keywords | 著作権 / 違法コピー |
Research Abstract |
今年度は、経済発展とインターネットによるファイル共有の関係を調べるために、再度ベトナムに調査に入った。今回は、ベトナムでトップクラスの歌手と作曲家、および音楽・放送関係者にインタビューを行った。また、昨年も調査したCDショップを再度訪問した。 インタビューでは、著作権保護を訴えているトップクラスの歌手が徐々に増加している一方で、若手の歌手にとって以前と違法コピーは有効なプロモーション手段として必要不可欠であることがわかった。また、急激な経済発展による所得上昇は、違法CDの売上を減らし、正規CDの売上を増やしていることが分かった。このことは、典型的な所得効果によって説明できる。さらに、インターネットによる違法ダウンロードは、違法CDに代わる新たなコンテンツ入手方法に代わってきたことも明らかになった。多くの学生は、違法CDすら購入しなくなっている。政府による取り締まりは、昨年より巌しくなっていることも判明した。このことはWTO加盟の効果によるものと思われる。さらに、作曲家および作詞家との契約は、売切りであり継続的な契約になっていないことも判明した。 今回の調査の詳細は、ワークショップで公表した。これは、今年度発表した論文の延長線上にある議論である。また、ベトナムの主要な新聞で我々の調査についての記事が掲載された。音楽関係のウエブサイトにも多く掲載されており、ベトナムで著作権意識が芽生えてきていることを反映しているものと思われる。
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Research Products
(3 results)