2007 Fiscal Year Annual Research Report
東北タイの開発と市民社会形成の基盤となるプラチャーコム(住民による小グループ)
Project/Area Number |
17402031
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
鈴木 規之 University of the Ryukyus, 法文学部, 教授 (60253936)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 康行 新潟大学, 人文学部, 教授 (40170790)
櫻井 義秀 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50196135)
平良 一彦 琉球大学, 法文学部, 教授 (40039540)
津波 高志 琉球大学, 法文学部, 教授 (90128489)
岩佐 淳一 茨城大学, 教育学部, 准教授 (10232646)
|
Keywords | 東北タイ / 開発 / 市民社会 / プラチャーコム / 民主化 / プラチャーサンコム / 国際研究交流 / メディア |
Research Abstract |
タイにおける開発・発展の研究は、かつては経済中心の開発か否かの対立した議論に終始したが、21世紀に入った現在では民主化も含めた市民社会形成の流れのなかで議論されるようになってきた。タイにおける社会科学者達の議論でも、開発を市民社会と結びっけた議論が中心となり、「社会開発の中で市民社会形成は可能か?」といった研究が数多く輩出されるようになってきた。社会学の分野でも、「市民社会とは何か?」というテーマ設定から「市民社会の形成はいかにして可能か?」がテーマとなり、住民による小グループであるプラチャーコムが市民社会を成立させるとの問題意識からプラチャーコムの個別的な研究へとテーマ設定が動いてきた。プラチャーコムは、もともとタイ語で人々の集まりを意味するが、市民社会を表すプラチャーサンコムが外来の概念としてタイ語に導入されたため、タイの文脈における市民社会形成研究のキーワードとなってきた。そこで、本研究では、一方で政府のトップダウン的な政策で構築されるプラチャーコムが多い中で草の根に住民のイニシアティブで構築するための条件は何かを実証的に明らかにした上で、プラチャーコムが市民社会形成の基盤になりうるのかを明らかにする。 本年度は3年目となり、タイでフィールドワークを行うとともに、2007年9月にはコーンケーン大学でタイ側の協力者と研究代表者、研究分担者が集まり研究会を行った。2007年12月には琉球大学において日本側とタイ側の研究協力者が集まり、法文学部アジア研究施設との共催で「タイの市民社会化をめぐって-これまでの動きと今後の展望-」と題する国際セミナーを開催した。その成果をもとに、研究成果報告書を作成した。
|
Research Products
(5 results)