2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境計画の社会的受容と市民参加手続きの公正さに関する日欧比較調査
Project/Area Number |
17402035
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
広瀬 幸雄 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (10117921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野波 寛 関西学院大学, 社会学部, 助教授 (50273206)
大沼 進 北海道大学, 文学研究科, 助教授 (80301860)
杉浦 淳吉 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (70311719)
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Keywords | 環境政策 / 市民参加 / 手続き的公正 / 国際比較 / 信頼 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の通りである。 1.EUにおける環境計画への市民参加プロジェクトの社会調査の実施と分析作業 ドイツの市民参加事例、特にプランニングセルによる環境計画策定の事例のうちから、参加型会議の参加者と非参加者の比較が可能なバイエルン州の事例と、市民参加による計画策定が重複して実施され一般市民の認知度が高いレンゲリッヒの事例を選択し、社会調査を実施した。計画策定における参加手続きの公正さが計画の社会的受容に及ぼす効果について、現在その調査結果を分析している。その結果は来年度のドイツ環境心理学会大会で発表する予定である。 2.日本における環境計画への市民参加プロジェクトの社会調査の実施と分析作業 EUとの国際比較のために、日本における環境計画への市民参加の事例として、三重県桑名市における河川改修事業での住民参加の事例と、岐阜県多治見市におけるごみ減量施策導入での市民参加の事例を取り上げて、それぞれ社会調査を実施した。行政への信頼の高低によって、手続き的公正が計画の社会的受容に及ぼす効果が変化するという結果を得た。その結果の一部は、今年度の日本社会心理学会大会と国際応用心理学会大会において発表した。 3.参加手続きが手続き評価と社会的受容に及ぼす効果に関する仮想シナリオ実験の実施 オランダと日本において、意見表明の機会の有無と会議参加者の代表性が参加手続きの公正さや社会的受容に及ぼす効果についてのシナリオ実験を実施した。さらに、環境浄化費用の国際的負担の交渉についてのゲーミングの実験を実施した結果、他地域への信頼がない場合には、決定手続きの公正さが結果の受容の主要な規定因になることを明らかにした。その結果は来年度のヨーロッパ心理学会大会や日本社会心理学会などで発表する予定である。
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Research Products
(7 results)