2005 Fiscal Year Annual Research Report
外国在留邦人に対する特別支援教育に関する相談支援体制の構策
Project/Area Number |
17402048
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Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
後上 鐵夫 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 教育相談センター, センター長 (10225641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝坂 信一 独立行政法人, 国立特殊教育総合研究所・教育相談センター, 総括主任研究官 (70260023)
小林 倫代 独立行政法人, 国立特殊教育総合研究所・教育相談センター, 総括主任研究官 (00300715)
大柴 文枝 独立行政法人, 国立特殊教育総合研究所・教育相談センター, 主任研究官 (50185245)
小澤 至賢 独立行政法人, 国立特殊教育総合研究所・教育相談センター, 主任研究官 (60419942)
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Keywords | 特別支援教育 / 相談支援体制 / 在外日本人学校 / 海外特殊教育事情 |
Research Abstract |
日本人学校82校に対し、障害児の在籍、相談の有無、特別支援教育への取り組み等アンケート調査を行った。さらに、特別支援教育に取り組みをしているあるいは次年度より考えていると回答のあった18校(ソウル、上海、香港、バンコク、クアラルンプール、ミュンヘン、ニューヨーク等)に実地調査を行った結果以下のような実情であることが解った。 (1)企業等から派遣され海外に駐在する日本人は年々年齢層が若くなり、子育て期の年齢層になっている。それに伴って、障害のある子どもに係る相談も増加している。これまで教育設備が整っていない等教育環境上の問題で障害のある児童生徒を受け入れがたい点が多かったが、ここ数年入学希望者が増加傾向にある。 (2)障害(軽度発達障害を含む)についての専門知識や指導技術がある教員がいないため、学校での取り組みや校内体制へのスーパービジョン、コンサルテーションを強く求めている。 (3)子どもの状態を正しくアセスメントする専門的知識がいない。子どもへの評価(学習上のつまずきの評価と具体的指導法)、コミュニケーションや対人関係に困難がある子どもへの接し方、教材・教具の入手方法、指導上のヒントやアイデアなどケースに即して具体的な支援が必要である。 (4)現地社会資源を活用することは、言語の問題もあって現実的には活用されていない。 (5)日本各地から教員が派遣されており、現時点では派遣している都道府県や市町村の特別支援教育の考えに大きな差があり、教員集団の共通意識・認識に立って取り組むことが難しい。 (6)入学してくる障害のある児童生徒が日本でどのような支援を受けてきたかの具体的な情報が個人情報保護の観点から受けにくく教員の不安材となっている。 (7)家族共に外国に来ているということが影響している心理的な対応のために、養護教諭、学校カウンセラーの配置が急務である。 (8)国内外における障害に関する情報、特別支援教育について国や各地の動き、他の日本人学校における取り組み事例についての相互情報交換等、特別支援教育の動きに関する情報を総合的に得ることが難しい。 こうした知見を元に、二年次は日本人学校特別支援教育に関するネットワークづくりと具体的な支援システムの方索を構築していく。
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