2005 Fiscal Year Annual Research Report
チリ海嶺沈み込み帯の深部構造と沈み込み帯での諸現象の解明
Project/Area Number |
17403006
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯高 隆 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00221747)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩森 光 東京大学, 大学院・理学系研究所, 助教授 (80221795)
平田 直 東京大学, 地震研究所, 教授 (90156670)
|
Keywords | 沈み込み帯 / 地震活動 / 海嶺 / 三重会合点 / チリ海溝 / 流体 / 低速度層 |
Research Abstract |
本年度は、研究対象地域(チリ三重会合点の東、ジェネラルカレラ湖を中心とする南北約400km、東西約150km)に地震計ネットワークを設置し、自然地震の観測・記録および地下構造の予察的な推定を行った。Guralp3Tを14台、Guralp40Tを6台、Guralp6TDを40台用いて、観測を行った。同地域には氷河が広く分布するために、氷の破砕によるノイズが広い範囲で認められた。また、小規模ではあるが鉱山が調査地域内にあり、爆破による振動も記録された。これらを除去した結果、調査地域の周辺では、マグニチュード0.8から3.5程度の地震が、調査期間内(約1年間)におよそ300のローカルイベントが検出された。これらの発生源は、主に(1)地域内を南北に走る活動的な広域断層と考えられるLiquine-Ofqui fault沿い、(2)調査地域中央のやや西側に位置するハドソン活火山に集中し、よりまれに地域の西に位置するチリ海嶺および断裂帯沿いで発生することがわかった。これに対して、地域内のおよそ東半分に相当する領域では地震活動がまれである。一方、さまざまな入射角度のteleseismic eventおよそ2000程度が記録された。これらのイベントをすべて用いて、レシーバー関数と表面波のジョイントインバージョンを含む地震波および地下構造の解析を行っている。予察的な結果からは、ジェネラルカレラ湖周辺の地下(下部地殻から上部マントル)に低速度層が存在することが示唆されている。今後、解析を進め、精度の高い速度構造推定をめざし、海嶺沈み込みによる熱的・物質的影響、特に流体の関与すると考えられる構造や低周波地震を含む地震現象の有無・解析を進める予定である。
|
Research Products
(3 results)