2006 Fiscal Year Annual Research Report
極域電離圏環境が南北両極オーロラの動態と強度に及ぼす影響の研究
Project/Area Number |
17403009
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
佐藤 夏雄 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (50132709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 久雄 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (20132714)
門倉 昭 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (70185883)
田口 真 国立極地研究所, 研究教育系, 助教授 (70236404)
岡野 章一 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (10004483)
小野 高幸 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (10141996)
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Keywords | オーロラ / 地磁気共役点 / 南極 / アイスランド / 共役性 / 電磁波動 / 電離圏 / 磁気圏 |
Research Abstract |
本研究課題は、地球上で唯一存在するオーロラ帯の「昭和基地-アイスランド共役点」において、オーロラの強度や微細構造・ダイナミックスを高精度で同時観測する。この南北同時観測記録より、オーロラ強度や動形態の南北両半球の対称性・非対称性を定量的に解析し、オーロラの発生・加速機構を観測事実から明らかにすることが主な研究目的である。 2006年9月と2007年3月に、アイスランドのHusafellとTjornesにおいてキャンペーン観測を実施した。9月のキャンペーンでは、昭和基地とHusafell同時観測データ1夜分を取得した。データ解析研究では、(1)共役点イメージャデータによるオーロラ絶対強度比較解析研究を行い、東北大学の修士論文としてまとめた。この研究により、昭和基地側の方がアイスランド側よりオーロラ強度が強い原因として、南北地点での固有磁場強度の違いによって帯状のオーロラの幅が南北半球で異なるために現れるものであると考えられる。(2)昭和基地のオーロラデータと両半球の磁場3成分データを用いて共役点位置の経度方向へのずれを推定する方法を考案し、2003年のオーロラサブストームイベントについて初期解析を行った。(3)2003年の昭和基地多色フォトメータデータを用いて、脈動オーロラの降下エネルギー特性に着目した解析研究を行った。(4)非常に良い共役性が見られた2003年9月26日イベント時の脈動オーロラの共役性について解析し、解析結果を投稿論文としてまとめた。 MF帯からHF帯におけるオーロラ起源の電波観測研究として、2005年度に設置された観測装置の定量的評価を基に、2006年9月期に装置の改良と感度較正を行う作業が実施された。改良後、1例のauroral roar、2例のMF burstの観測に成功した。その結果、3fce roarについてはL-O modeで伝搬してきたことを今回で初めて明らかにし、この観測的証拠はauroral roarの提案されている発生メカニズム、つまり、upper hybrid waveが伝搬経路上でのモード変換過程を経て伝搬するという説を支持するものである。また、MF burstは南側のオーロラアークにおいて放射され、観測点まで伝搬し、電離層の強い電離の開始とともに消えたと示唆される。
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Research Products
(8 results)