2005 Fiscal Year Annual Research Report
地球最古の生物起源グラファイトの探査に関する国際共同研究
Project/Area Number |
17403011
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
掛川 武 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60250669)
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Keywords | グリーンランド / グラファイト / 炭素安定同位体 / 最古の生命 |
Research Abstract |
本研究では世界最古の地層が広く分布するグリーンランド・イスア地域において、複数年にわたり、グラファイトを多量に含む地層の野外調査を行うことを主目的にしている。このグラファイトを含む地層は新たに研究代表者によって発見されたものである。グラファイトの空間分布を高解像度で調査し、先端科学技術により、グラファイトやその周辺の鉱物に対して新たな分析を試み、この研究で見いだされたグラファイトが世界最古の生物起源か判定を行うのが本研究の目的である。 2005年7月後半から8月中旬にかけて2週間にグリーンランドのイスア地域調査を行った。グリーンランドに行く前にコペンハーゲン大学において事前打ち合わせ、調査道具の調達などを行った。この調査には東北大学大学院学生を同行させた。2005年9月にはイスア地域試料と比較研究を行うため地質環境が似ているカナダ・スティープロック地域の岩石採集を行った。両地域から得られた試料は東北大学でX線卓上顕微鏡、:EPMA, X線粉末解析装置などを用いて岩石記載が行われた。同時に元素分析計により有機物含有量が決められ、質量分析計によって炭素安定同位体組成が求められた。特にイスア地域の試料は、レーザーマイクロプローブ法によって微小領域での炭素同位体組成が求められた。その不均質性は生物起源であることを強く示す結果である。同時に主要および微量元素含有量測定を行った。これらの成果は、研究代表者が企画した国際シンポジウムなどを通して公表し、現在、国際雑誌に投稿準備中である。
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Research Products
(4 results)