2006 Fiscal Year Annual Research Report
地球最古の生物起源グラファイトの探査に関する国際共同研究
Project/Area Number |
17403011
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
掛川 武 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60250669)
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Keywords | イスア / グラファイト / 生命起源 / 変成作用 |
Research Abstract |
本研究では世界最古の地層が広く分布するグリーンランド・イスア地域において、複数年にわたり、グラファイトを多量に含む地層の野外調査を行うことを目的にしている。グラファイトの空間分布を高解像度で調査し、地層からグラファイト形成に関しての環境を読み取る。先端科学技術により、グラファイトやその周辺の鉱物に対して新たな分析を試み、生物活動の指標となる窒素同位体、グラファイトのナノスケールでの元素配列状態、生態必須金属元素(金属-有機錯体)から生物起源か非生物起源かの判定を行うのが本研究の目的である。グリーンランド岩石は変成作用を被っており、岩石形成後さまざまな地質履歴をたどっている。そのために似たような地質環境で形成され変成度が低い岩石との比較研究も同時に行う。2006年7月の2週間にグリーンランドのイスア地域調査を行った。グリーンランドに行く前にコペンハーゲン大学において事前打ち合わせ、調査道具の調達などを行った。これには日本学術振興会特別研究員大友陽子が重要な役割を果たした。グリーンランドではコペンハーゲン大学と共同でヘリコプターをチャータし代金は折半した。調査終了後、岩石試料を海路輸出した。2006年8月にはイスア地域試料と比較研究を行うため、地質環境が似ているカナダ・スティープロック地域とワワ地域の岩石採集を行った。両地域から得られた試料は東北大学で様々な化学・エックス線分析が行われ、消耗品類はこうした分析に用いられ、イスア地域試料の微細な電子顕微鏡組織から多様なグラファイトの存在が明らかになった。カナダ試料から、酸化還元に関連した環境変動に対応し、当時の微生物活動が変動している様子が明らかになった。
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Research Products
(6 results)