2005 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア地域の天然ゴムプランテーションで発生する大気汚染物質の特性と影響評価
Project/Area Number |
17404001
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
古内 正美 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (70165463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 吉生 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (10152175)
塚脇 真二 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 助教授 (00222133)
坂野 健夫 金沢大学, 自然科学研究科, 研究員 (80397182)
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Keywords | スモークシート / 多環芳香族炭化水素 / 作業環境 / 輸送 / 長期的環境変動 / トータルエミッション / 発生源対策 / 環境政策 |
Research Abstract |
1)製造プロセス・大気環境および土壌堆積物調査調査:タイ南部ソンクラ県において天然ゴムプランテーションと製造工場の視察を行った。また,天然ゴムスモークシート製造所(Rubber Cooperative)で製造プロセスに伴って発生する大気汚染,作業環境汚染,水質汚染の現状を調査した。また,インドシナ半島における他のケースとしてカンボジア東・西部における天然ゴム製造と環境への影響の予察的調査を行った。この結果,天然ゴムシート乾燥炉からは一般大気環境中の少なくとも10万倍を越える大量の多環芳香族炭化水素(PAHs)が発生していること,作業環境中濃度がバンコクのようなメガシティを遥かに越える状況にあること,年間を通じた一般大気環境中のPAHs濃度の変動とタイ全体の天然ゴムスモークシートの生産量に特に雨季に明確な相関があることなどを明らかにした。また、ソンクラ県内の作業所単位の詳細な生産量情報に基づく検討も開始した。カンボジアでは天然ゴム古木を含むバイオマス燃焼による非常に高濃度のPAHs汚染状況にあることを明らかにした。大気環境への影響の長期的変動を把握するため,ハジャイ近郊のソンクラ湖で底質の採取・分析を実施した。この結果,比較的高濃度のPAHs汚染が判明したが,堆積速度が小さいことに加え水深が浅く,波浪による再飛散の影響が大きいため過去100年程度の環境変動の議論には適さないと判断された。さらに,マングローブ自生地周辺の残留湖沼の視察を含めた調査を行った。ソンクラ県内には適当な場所がないと判断されるため,今後は,タイ南部全域および最近開発が進んでいるタイ東部ラオス国境付近を含めて調査する予定である。2)発生源対策のためのインフラ調査:作業環境の現状と対策への作業者の意識を把握するため,複数の製造所で対面形式のアンケート調査(タイ語)を実施した(データ収集継続中)。発生源対策を念頭に置いたものとしては恐らく最初のもので、作業者からの煙対策への強い要望が明らかになった。また,煙対策の予備的検討の一環として,燃焼炉から乾燥炉に通じる煙道に電気集塵機を試験的に設置してその集塵性能と乾燥状況を検討した。この結果,乾燥シートの色が薄くなって品質が向上し,必要熱量も3割程度軽減できることを明らかにした。この後,省メンテナンスで集塵性能を維持するための液膜電極をもつ装置を試作し,その基本特性の検討を開始した。さらに,PAHs 等の有害成分を低コストで除去する手法として電磁波を照射する方法の予備的検討を実験室および同装置上で開始した。3)その他:天然ゴム製品製造会社経営者,技術提携先の日本企業のキーパーソンとタイ側を含めた本研究参加者の会談を行って本研究への理解を得るとともに積極的な支持を得たことは収穫であった。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Characteristics of Particulate Matters from Rubberwood Burring and Effect of Atmospheric Air in HATYAI, Thailand2005
Author(s)
P.Tekasakul, M.Furuuchi, Y.Otani, S.Tekasakul, T.Sakano, T.Murase
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Journal Title
Proc.Asian Aerosol Conference (AAC) 2005, Mumbai, India, Dec.13-16,
Pages: 688-690
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