2005 Fiscal Year Annual Research Report
浅い湖沼の再生法の確立を目的としたシャジクモに覆われた湖沼の観測
Project/Area Number |
17404008
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
浅枝 隆 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40134332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 毅 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (70282431)
MANATUNGE J. 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50334157)
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Keywords | シャジクモ / イバラモ / 浅い湖沼 / マイオール湖 / 富栄養化対策 / マクロファイト / 汽水湖 / オーストラリア |
Research Abstract |
本年度は、オーストラリアNSW州のマイオール湖、ブーランバイト湖において、まず、シャジクモ、底質のgyttja層、水等を採取し、また、光環境の測定を行い、シャジクモのバイオマスの分布、他の維管束植物との関係等を明らかにした。これによって、次のことが明らかになった。1)深度に応じたバイオマスの分布、シャジクモの形態的特性の変化が明確になった。特に、浅い場所では生活サイクルが1年で終了し、深い場所では多年生になっていること、また、そのために、浅いものについては全体が比較的一様であるのに対し、深い場所のものは先端部の新しいもの、中間部、根元付近の古いものに分かれることがわかった。2)シャジクモは柔らかいgyttja層を生成することで他の種の進入を阻んでいること、3)マイオール湖においては、秋季にイバラモが急激に成長し、シャジクモの光環境を悪化、圧迫するものの、その他の時期にはシャジクモが優占していること。 次に、湖内で採取された、シャジクモ、イバラモ、フサモ、セキショウモについて湖内で分解実験を行い、それぞれの植物の分解速度を明らかにした。その中で、特に、シャジクモにつていは分解に時間がかかること、そのため、吸収した栄養塩を底質中に貯蔵する割合が大きいことが明らかになった。 また、栄養塩の循環の構造を把握するために、これらの植物の安定同位体比を測定した。その結果、特に、イバラモ、シャジクモにおいて窒素の安定同位体において極めて低い値が確認された。また、これより、シャジクモやイバラモによる窒素吸収が種として土壌中からであることが予測され、また土壌中の安定同位体比も低いことが予想される。こうしたことから、土壌間隙水中の安定同位体比を調べる必要が出てきたことから、間隙水のサンプリングを行った。この分析は18年度に行う予定である。
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Research Products
(3 results)