2006 Fiscal Year Annual Research Report
韓国における偶発的作用による崩壊事故例の調査と原因分析に関する研究
Project/Area Number |
17404014
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
崔 宰赫 神戸大学, 工学部, 招聘外国人研究者 (30397799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福住 忠裕 神戸大学, 工学部, 助教授 (40031140)
藤谷 秀雄 神戸大学, 工学部, 助教授 (10344011)
林 暁光 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (30262124)
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Keywords | 鉛直荷重支持能力 / リダンダンシー / 感度解析 / 部材感度 / リスク低減対策 / 部材損失 / 感度指標 / 安全性向上 |
Research Abstract |
平成18年度は、まず日本、米国そして英国の鉛直荷重による崩壊事例を収集して、その中から3例の崩壊事故に極限解析を適用し、その解析結果から構造骨組の崩壊原因や崩壊メカニズムを分析して、実際の崩壊後の様子と比較した。その後、感度解析を通じてそれらの構造物のキーエレメント等を評価し、局所的な破壊や部材の消失が建物の重力支持メカニズムに及ぼす影響を検証した。最後に、構造物の崩壊によるリスク低減対策、構造物の安全性向上策の設計方策を検討する。この安全性向上策には、2つの考え方がある。まず1つ目は、感度解析によって求められたキーエレメントの耐力を予め高くして崩壊の防止を行うことである。構造物の安全率を一律に大きくすると対策にかかるコストがかなり増大するが、キーエレメントの重点的な対策を施すことによって効率のよい崩壊防止を行うことができる。そして2つ目は、鉛直部材が消失した場合でも崩壊が連鎖しないように、骨組み自体がもつリダンダンシーを向上させることである。骨組みにトラス架構などを設置し、部材が消失しても応力再配分効果を生じさせることによって、新たな崩壊につながらないようにする。今研究では、前者の安全性向上策に、鉛直荷重によって崩壊したトラス構造物2事例及びラーメン構造物を適用し、後者には、爆発により部材がなくなり崩壊が連鎖したラーメン構造物を適用した。 また、解析ソフト(LS-Dyna)を用いて、より実際の建築物に近い骨組み構造物への非線形動的構造解析による解析を行い構造物の部材を消失させ、構造物全体の荷重支持能力を比較することにより極限解析で特定したキーエレメントの信頼性を高めることを検討した。低層骨組みに対して非線形動的構造解析による解析を行い、部材を消失させた場合の荷重支持能力と極限解析によって定性的に導き出した部材感度とを比較した。更に、大規模骨組みに対して解析を行い、偶発的荷重による構成部材の消失によって構造物が致命的に崩壊しないよう具体的な補強機構の検討を行った。
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Research Products
(6 results)