2006 Fiscal Year Annual Research Report
水域都市ネットワークの史的研究-華南及びインドシナ半島を事例として-
Project/Area Number |
17404018
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大田 省一 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60343117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 伸 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70202356)
谷川 竜一 東京大学, 生産技術研究所, 技術専門職員 (10396913)
高村 雅彦 法政大学, 工学部, 助教授 (80343614)
中沢 信一郎 早稲田大学, ユネスコ世界遺産研究所, 講師 (70287978)
木下 光 関西大学, 工学部, 助教授 (90288796)
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Keywords | 東南アジア / 華南 / 市場 / 里弄 / ショップハウス / 植民地 / 華人街 / 移民 |
Research Abstract |
水域ネットワーク都市の空間構造の比較研究へ向けて、都市施設調査、史料調査を引き続き実施した。都市施設調査では、都市を構成する個別要素として、市場、廟、住宅地(ショップハウス、里弄)等を対象とする他、それらを関連づけるものとして、都市施設の配置・街路パターンの調査を行った。 調査地としては、水域都市ネットワークの諸相を考察するため、デルタ地域に加えて、河川上中流域、河口近くの海域にも調査地を広げ、水域での都市立地と都市構造の関係を考察した。具体的には、メコンデルタ(ホーチミン市)、メコン上中流域(ビエンチャン、ルアンパバーン)、珠江デルタ(広州、開平)、広東海域(北海、湛江)、旧海峡植民地(シンガポール、ジョホールバル)を今年度の調査対象地とし、建築実測、聞取り調査、資料調査を実施し、使われ方の調査記録、住宅地区のタイプ別の住戸プラン、街区プランの作成を行なった。また関連する資料調査をベトナム、ラオス、シンガポール、フランス、及び日本国内で実施し、都市図・都市計画図、関連公文書等を入手した。特にフランスでは都市図所在調査を行い、ホーチミン市等の地図を多数入手することができた。 今年度は、昨年度の成果である都市形成モデルの抽出による地域間比較考察に、さらに時間軸上での変化の諸相を盛り込み、都市空間の構造を描き出すことを目的とした。その結果、開拓地・植民地であるこれら都市群では、いくつかの層からなる都市発展系列が見て取れることが判明した。つまり、基層としての在地都市集落層、内国・域内移民による都市拡張期層、近代西欧型支配による近代都市形成期層である。以上を画期として、各調査地での都市形成過程の考察を行っている。
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Research Products
(14 results)