Research Abstract |
水域ネットワークとして海上ネットワーク,河川ネットワークの比較,さらに後者はデルタと国際河川に分けて,それぞれの都市ネットワーク,都市空間構造モデルの解析を進めた。臨地調査として,都市を構成する要素として,市場,寺廟,住宅地(ショップハウス,里弄)等を対象とした都市施設調査,それらを関連づけるものとして,施設配置,街路,水路パターン等を対象とした都市構造調査を行った。 海上ネットワークについては,ハブとして重要な拠点都市を中心に調査塗実施した。調査地としては,珠江デルタの拠点の香港,旧海峡植民地を含むマラッカ海峡の拠点シンガポールを対象とし,街市,集合住宅など都市施設とそのつながりを考察した。河川ネットワークとしては,今年度は上中下各流域での事例採取が可能なメコン川を重点領域とし,デルタ上都市として拠点都市ホーチミン市,地域拠点バックリュー,国債河川上中流域のビエンチャン,ルアンパバーンを対象地とした。建築実測,聞取り調査,資料調査を実施し,使われ方の調査記録,住宅地区のタイプ別の住戸プラン,街区プランの作成を行なった。また関連する資料調査をベトナム,ラオス,シンガポール,フランス,及び日本国内で実施し,都市図,都市計画図,関連公文書等を入手した。フランスでは昨年に引き続き都市地図調査,史料調査を行い,ラオス都市史,建築史の史料を入手することができた。 今年度は3ヵ年の調査期間の最後となるため,ベトナム,ラオス等の現地協力機関との連携強化,研究成果報告等のフィードバックを重点的に行った。ホーチミン市,バックリューでは研究報告会を開き,特に後者では市当局の今後の都市整備のアドバイザリー協力をすることになっている。またラオスでは国際シンポジウムへの参加を行った。
|