2006 Fiscal Year Annual Research Report
メラピーウンガラン火山システムの地熱系発達史解明と地熱資源量評価に関する研究
Project/Area Number |
17404024
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江原 幸雄 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (10002346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸井 龍一 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (50108768)
藤光 康宏 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (10264095)
今井 亮 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (90223304)
西島 潤 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (40315114)
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Keywords | メラピ火山 / ウンガラン火山 / メルバブ火山 / テロモヨ火山 / 地熱系発達 / 熱水系 / 側方流動 / 地熱系モデリング |
Research Abstract |
研究対象となっている、メラピーウンガラン火山システム(メラピ、メルバブ、テロモョ、ウンガランの各火山)に関し、種々の手法により研究を進めた。 メラピ火山に関しては、これまでの観測結果を総合し、熱過程に関し、概念モデルを作成するとともに、数値モデルを作成した。熱源として、深部のマグマおよび浅部の火道が存在し、それらによって駆動される熱水系の発達を明らかにした。その結果、火山体中心部に高温の蒸気の上昇流が卓越する熱水系が発達することが明らかになぅた。数値モデルから推定される脆性-延性転移温度は、火山体内に発生する地震の分布をよく説明する。また、蒸気流動から予想される地下浅層の温度分布は、実測されている浅層地下温度異常をよく説明する。すなわち、メラピ火山の熱的構造について、精度の商いモデルが作成されたと言える。 ウンガラン火山に関しては、再度現地調査を行った。昨年度の観測では、山腹噴気地域直下に非常に活発な微小地震活動を検出したが、本年度の観測においても、微小地震活動が存在することが確認された。噴気活動の調査も行ったが前年と大きな変化はなかった。また、ウンガラン火山の重力構造の解析を行った。基本的には、第4紀火山岩と第3紀火山岩の2層構造に近似できることが明らかにされた。これらのデータは次年度に実施予定の数値モデル作成に利用される。 各火山の構成岩石の採取と火山岩年代の決定を始めた。ウンガラン火山の活動は古期と新期の2つに大別され、それぞれ今から約50万年前および今から30万年前程度であることが明らかにされた。これらの火山活動年代は、噴気活動の存在と整合的であると判断される。
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