2005 Fiscal Year Annual Research Report
捕食、被食、競争、そして、精報盗用:マダガスカルにおける爬虫類と鳥類の相互作用
Project/Area Number |
17405008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 哲 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80271005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 雅彦 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (90272880)
長谷川 雅美 東邦大学, 理学部, 助教授 (40250162)
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Keywords | マダガスカル / 熱帯乾燥林 / 爬虫類 / 鳥類 / 動物群集 / コミュニケーション / 捕食者 / 被食者 |
Research Abstract |
本年度は10月から12月にかけてマダガスカルに渡航した。まず10月には、初年度の打ち合わせのために、相手国協力者の所属するアンタナナリブ大学を訪れ、共同研究を実施する上でのお互いの条件の確認と契約を行なった。また、調査地は国立公園であるため、公園管理局であるANGAPを訪問し、調査内容等の説明を行なった。10月末から調査地であるアンタナナリブに入り、12月末まで以下に記す研究を行なった。まず、ヤモリ類とカメレオン類を中心とするトカゲ類、および、全種のヘビ類を対象に、直接観察と標識再捕獲法を用いて、餌の種類、採餌場所、体長や頭部の大きさ等の基礎データの収集を行ない、より多くのデータを集積した。また、鳥の捕食者であるヘビ類4種(昼行性で地上性、昼行性で樹上性、夜行性で地上性、夜行性で樹上性のそれぞれで各1種)を選び、電波発信器を手術によって体内に埋め込んで、その後の行動を継続的に追跡し、行動圏や活動場所、活動時間の詳細なデータを収集した。また、鳥類のモビングを誘発するために、ヘビのモデルや実物のヘビを提示する予備的実験を行い、モビング時の鳥の音声を録音するとともに、どのような提示方法が実験デザインとして有効であるかを調べた。鳥類による反応に関しては、マダガスカルサンコウチョウ、ハシナガオオハシモズ、および、ルリホオハチクイを主な対象として実験を行なった。さらに、鳥のモビング声の盗聴に関する予備的実験を、マダガスカルヒルヤモリを用いて行ない、モビング声に反応して体色を変化させるなどの防御行動が誘発されることを確認した。また、鳥の卵や雛の重要な捕食者であることが明らかになってきたブラウンキツネザルの採時行動の観察も行なった。
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