2006 Fiscal Year Annual Research Report
捕食、被食、競争、そして、精報盗用:マダガスカルにおける爬虫類と鳥類の相互作用
Project/Area Number |
17405008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 哲 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (80271005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 雅美 東邦大学, 理学部, 教授 (40250162)
中村 雅彦 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (90272880)
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Keywords | マダガスカル / 熱帯乾燥林 / 爬虫類 / 鳥類 / 動物群集 / コミュニケーション / 捕食者 / 被食者 |
Research Abstract |
本年度は10月下旬から2月初めにかけてマダガスカルに渡航した。まず10月には、相手国協力者の所属するアンタナナリブ大学を訪れ、本年度の共同研究を実施する上での打ち合わせを行なうとともに、これまでの研究成果に関する講演会をアンタナナリブ大学理学部にて行なった。11月初めに調査地であるアンピジュルアに入り、2月初めまで以下に関する研究を行なった。まず、昨年度同様、全種のヘビ類を対象に、直接観察と標識再捕獲法を用いて、餌の種類、採餌場所、体長や頭部の大きさ等の基礎データの収集を行ない、さらなるデータを集積した。また、昨年度に開始した、ヘビ類4種(昼行性で地上性、昼行性で樹上性、夜行性で地上性、夜行性で樹上性のそれぞれで各1種)の電波発信器による追跡を継続し、行動圏や活動場所、活動時間の詳細なデータを収集した。電波発信器による行動追跡に関しては、日本隊が現地に訪れるまでの10月前半にいたる乾季の間は、アンタナナリブ大学の学生を雇用して調査を実施し、行動追跡が途切れないようにした。鳥類のモビングに関する実験に関しては、プレイバック実験で使用するためのモビング音の音源を増やすことに努めた。また、実験対象として、マダガスカルヒルヤモリ以外に、ブキオトカゲとカタトカゲを新たに用い、鳥のモビング声の盗聴に関するトカゲ類の防御反応を、より広い分類群において調べるための予備的実験を行なった。さらに、鳥の卵や雛の重要な捕食者であるブラウンキヅネザルの調査においては、2つの異なる群れに属する2個体のキヅネザルに電波発信器を装着し、その個体を追跡することによって、群れの発見効率を高め、定量的な採餌行動の観察を行なった。
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Research Products
(2 results)