2006 Fiscal Year Annual Research Report
アジア熱帯における生物の分解と分散-獣糞にすむ動物群集の生物地理学的研究-
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17405011
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大原 昌宏 北海道大学, 総合博物館, 助教授 (50221833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高久 元 北海道教育大学, 教育学部・札幌校, 助教授 (40236203)
岩佐 光啓 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00168551)
近 雅博 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (00211912)
小林 憲生 北海道大学, 総合博物館, 資料部研究員 (00400036)
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Keywords | 生物地理 / 節足動物 / 東南アジア / インドネシア |
Research Abstract |
1 アジア熱帯の家畜牛糞に生息する節足動物群集を、生物地理学的見地および系統学見地から解明するために、インドネシアにおいて、2006年7月に21日間の調査をおこなった。調査には、大原・高久・近の分担者の他に、海外の共同研究者であるDr. Sri HartiniとMiss. Dhian Dwibadra、および研究協力者の林利彦が参加し、ジャワ島、ハルマヘラ島、テルナテ島、スラウェシ島(北部、南部)の調査を行った。採集資料は、研究者の担当分類群ごとに分けた後、標本作製と分類学的整理を行った。 2 2005・2006年の調査結果をふまえた学会口頭発表*や論文発表が15件行われた。 (1)ツヤホソバエ科のウオーレスライン周辺の分布に関する知見* (2)ハルマヘラ島のコガネムシ科エンマコガネの新分布についての知見、ボルネオ島のコガネムシ科Ochicanton属の4新種の記載、アフリカ熱帯の牛糞集まるコガネムシ科の記録など(10編) (3)エンマムシ科オオエンマムシ属のウオーレスライン周辺の分布に関する知見* (4)フンコバエ科の一新属の記載 (5)パプア地域のハエダニ属およびハエダニ科2新種について(2編) 3 野生牛を含む大型哺乳類の従来分布域と、ハルマヘラ島、テルナテ島などの本来分布しない地域の牛糞生息節足動物群集の比較が、データの蓄積により可能となりつつある。特に、後者では群集種構成が著しく貧相であり、小型種が多いことがあげられ、近隣の島との共通種率や距離などを考慮することで、島間の移入経路(歴史性)と生物個体サイズと移動の関係(スケーリング)の解明につながる結果が得られている。同時に各分類群の新タクソン記載と生物地理学的な分布情報蓄積がなされている。またダニ類において分子生物地理研究に適した分類群を見いだした。
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Research Products
(12 results)