2007 Fiscal Year Annual Research Report
ゾウリムシとその核内共生細菌ホロスポラの世界分布図の作成
Project/Area Number |
17405020
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤島 政博 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 教授 (40127783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道羅 英夫 静岡大学, 遺伝子実験施設, 准教授 (10311705)
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Keywords | ゾウリムシ / ホロスポラ / シンジェン / 核内共生細菌 / 性的隔離 / 共進化 / 細胞内共生 / 地理的隔離 |
Research Abstract |
原生動物繊毛虫類のゾウリムシ((Paramecium caudatum)には、syngenと呼ばれる交配反応の有無で生殖的に隔離されたグループが存在し、種分化の初期段階と考えられている。ゾウリムシは海水では生存できず風で飛ぶシストも形成しないため、syngenの分布と進化は大陸の移動と密接な関係があると予測される。一方、ゾウリムシの核内共生細菌ホロスポラ・オブツサの増殖と維持はsyngen特異的であり、共生によって宿主をストレス耐性にさせ、宿主を生存に不適な環境でも生存可能にする。この事実は、syngenとHolosporaが共進化していることを示し、Holospora依存性のゾウリムシが出現している可能性が予測される。本研究は、野外採集によって大陸移動による地理的隔離時期とsyngenの進化の関係の証明、Holosporaとゾウリムシとの共生がsyngenの進化のどこで成立したか、Holospora依存性のゾウリムシの発見を目的にして行っている。2007年度は、国外ではロシア、ノルウェー、ブラジル、オーストラリアでゾウリムシの野外採集を行いブラジルとオーストラリアで多数を採集した。現在、クローニングした細胞の形態的特徴、syngenの標準株との交配反応性の有無をもとに、種とsyngenの同定を行っている。ホロスポラを維持した細胞は2007年度も採集できなかった。 一方、ホロスポラ・オブツサが大核に感染後、3時間以内に宿主大核内に分泌される63kDaのペリプラズムタンパク質の機能に関して、2回目以降のホロスポラの感染に対する防御または促進の機能は持たないことを明らかにした。
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Research Products
(16 results)