2005 Fiscal Year Annual Research Report
オーストラリアにおける亜熱帯陸海域環境を支える微生物基盤の比較研究
Project/Area Number |
17405025
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山崎 秀雄 琉球大学, 理学部, 教授 (40222369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 岳 琉球大学, 遺伝子実験センター, 助手 (90322750)
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Keywords | セルラーゼ / 共生微生物 / ゲノム / シロアリ / セルロース分解 / パルスフィールド電気泳動 / 国際研究者交流 / オーストラリア |
Research Abstract |
本年度の調査地は、現地研究協力者との協議の上、オーストラリア北部準州ダーウィン周辺とした。本年度の調査は、陸域で予定していたムカシシロアリ共生微生物について重点的に行うこととし、ダーウィン郊外のユーカリ疎開林において予定通りムカシシロアリの調査ならびにサンプリングを行うことができた。サンプリングしたシロアリは、シドニー大学において解剖し、実験に用いるサンプルの調整方法を検討した。さらに、現地研究室において光学顕微鏡ならびに蛍光顕微鏡による共生微生物の予備観察を行った。実験用に解剖し凍結保存したシロアリは、オーストラリア政府の許可(No. WT2005-12842)の下、日本国内へ空輸した。 これまでの実験によって、ムカシシロアリの脂肪体から密度勾配遠心により細胞内共生細菌Blattabacteriumを単離する方法を確立した。現在、この細菌のゲノム解析に向け、パルスフィールド電気泳動による全ゲノムDNAの抽出と分子量の分析を行っている。また、ムカシシロアリ共生微生物による炭素循環に関連して、後腸内原生動物のセルロース分解酵素についても解析を行っている。従来、ムカシシロアリの原生動物はセルロース分解酵素を生産していないことが示唆されていたが、今回の我々の研究により、ムカシシロアリの共生原生動物が、実際には機能的なセルラーゼを大量に生産しており、このセルラーゼは、共生原生動物のゲノムに存在するセルラーゼ遺伝子がコードしているアミノ酸配列と同一の配列を持っていることが確かめられた。 次年度は、さらに本研究を継続するとともに、サンゴに共生する微生物を中心とした海域の微生物についても調査およびサンプリングを行う予定である。
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Research Products
(2 results)