2005 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおける高リスク侵入性人獣共通感染症の疫学調査
Project/Area Number |
17405044
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
田村 豊 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (50382487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 康和 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (50254701)
源 宣之 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (10144007)
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Keywords | 人獣共通感染症 / 東南アジア / 狂大病 / Q熱 / VRE |
Research Abstract |
本研究は、動物や食品を介してわが国に侵入する可能性の高い病原体である狂犬病ウイルス、Q熱リケッチア、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)を調査対象とし、今年度はタイ国における侵淫状況を調査した。2006年1月4〜11日にタイ国に赴き、チュラロンコーン大学獣医学部の協力を得て本調査を実施した。 1 狂犬病ウイルス:本調査には狂犬病罹患犬の脳材料を必要とし、厚生省や農業協同組合省の協力が不可欠である。しかし、折りしもタイ国で猛威を振るっている鳥インフルエンザ対策に全省をあげて取り組んでいる最中のため、我々の調査に協力を得ることができなかった。次年度については、このような事態に陥らないように早めに対応したいと考えている。 2 Q熱リケッチア:共同研究者が、事前に屠場から牛113頭及び鶏120羽の脾臓、及び牛に寄生したマダニ141匹を採取していた。そこで、家畜伝染病予防法上、わが国に持ち込むことができない脾臓についてDNAを抽出し、エタノール浸漬したマダニともども日本に持ち帰った。さらに既に採取されていた牛および鶏血清を用いてQ熱リケッチアに対する抗体を蛍光抗体法で検出したところ、牛4例および鶏1例に陽性例が認められ、タイ国で飼育される牛および鶏がQ熱リケッチアを保有する可能性が示唆された。現在、持ち帰った材料について、遺伝子検出法により病原体の有無を検査している。 3 VRE:共同研究者が、事前にタイ国で飼育されている鶏100羽から糞便を採取していた。そこで、今回、糞便を腸球菌分離用培地及びVREを標的としたバンコマイシン加培地に接種して菌分離を行った。その結果、163株の腸球菌様細菌が分離されたが、VREは分離されなかった。そこで、以前共同研究者が分離した鶏由来VREの分与を受けた。現在、分離菌株の同定を行うとともに、VREの各種性状を調べている。
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Research Products
(5 results)