2007 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおける高リスク侵入性入獣共通感染症の疫学調査
Project/Area Number |
17405044
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
田村 豊 Rakuno Gakuen University, 獣医学部, 教授 (50382487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 康和 酪農学園大学, 獣医学部, 准教授 (50254701)
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Keywords | 人獣共通感染症 / 東南アジア / 狂犬病 / Q熱 / VRE |
Research Abstract |
本研究は、動物や食品を介してわが国に侵入する可能性の高い人獣共通感染症の病原体に関する浸潤状況を、わが国と関連の深いアジアの国々で調査するものである。今年度は、ベトナムにおける調査を実施した。また、昨年度にインドネシアの国内事情により通関が遅れた検体(菌株、DNA)の調査も併せて実施した。 1.狂犬病ウイルス (1)ベトナム:リッサ属特異的N遺伝子は、脳材料から全く検出されなかった。一方、11%のイヌ血清において狂犬病ウイルスに対する中和抗体が認められた。 (2)インドネシア:感染イヌ及びサルの脳材料の22%からN遺伝子が検出され、その塩基配列は中国やフィリピンでの流行株に類似した。 2.Q熱リケッチア (1)ベトナム:ウシ血清の34%とニワトリ血清の21%が特異抗体を保有していた。 (2)インドネシア:ウシ血清の15%とニワトリ血清の5%が特異抗体を保有していた。 3.薬剤耐性菌 (1)ベトナム:ウシとニワトリから207株の大腸菌と166株の腸球菌が分離された。 (2)インドネシア:ニワトリ由来腸球菌の97%が多剤耐性菌であり、医療で問題視されるバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)も多数分離された。VREは全てvanA遺伝子を保有していた。 以上の成績から、わが国を取り巻くアジア各国では、今回調査した人獣共通感染症の病原体が蔓延しており、動物や食品を介してわが国に侵入する可能性が高いものと考えられた。
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Research Products
(4 results)