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2005 Fiscal Year Annual Research Report

家畜の過放牧によるモンゴル草原生態系の生物多様性の劣化に関する研究

Research Project

Project/Area Number 17405045
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

高槻 成紀  東京大学, 総合研究博物館, 助教授 (00124595)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 恒川 篤史  鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (60227452)
Keywordsモンゴル平原 / 放牧圧 / 生物多様性 / 訪花昆虫 / 齧歯類
Research Abstract

改革に基づきモンゴル草原の放牧圧が異なる場所で家畜の行動を解明し、また放牧圧による群落の変化、訪花昆虫、齧歯類の調査をおこなった。
家畜の行動は放牧圧が強い場合、採食時間が長くなり、また採食回数が減少し、採食のためのステップ回数が長くなった。このようなことから家畜に負担を与えることが予想された。そこで2005年5月よりヤギとヒツジの体重を定期的に測定したが、現時点(2006年1月)では明瞭は違いは認められていない。この調査は継続中である。
群落の変化は明瞭で、放牧圧が軽度(軽牧)では種組成も多様で、バイオマスも大きかったが、中程度の場合(中牧)は双子葉草本が選択的に採食されるために一部の植物が減少した。重度になると(重牧)イネ科が大きく減少し、特殊な小型植物や地表性の植物だけが生育するようになった。バイオマスは10%程度にまで減少した。
このような群落変化にともない、訪花昆虫も大きな影響を受けた。軽牧ではさまざまな虫媒花が生育し、そこを訪れる訪花昆虫の多様性も高かった。また有効受粉も多かった。これに対して中牧では、虫媒花の花がいちじるしく少なくなったため、花と訪花昆虫の関係がきわめて単純になった。重牧になると、生育していた植物は限定され、虫媒花のほとんどはキク科であり、ジェネラリストの訪花昆虫が多かった。虫媒花と昆虫の関係は単純ながら密接であった。このように放牧圧が強くなれば群落は単純でバイオマスが小さくなるという直線的関係があったが、訪花昆虫についてはそのような単純な関係ではなく、重牧地では軽牧地とはまったく違った花と昆虫の関係が形成されていた。そして面積的に大半を占める中牧ではきわめて単純で貧弱な花-昆虫系が形成されていた。
齧歯類については、個体数の年変動が大きいことが知られているが2005年は個体数の少ない年に相当していた。軽牧では種数も個体数も多かったが、中牧では最も少なく、重牧ではやや多くなった。中牧で優占するヒゲナガノゲガヤは地下部がよく発達するので齧歯類のトンネルが掘りにくいことやトビネズミの場合、ジャンプがしにくいなどの理由が考えられた。現在胃内容物分析をおこなっている。
マーモットによるマウンド形成がおよぼす影響は実施できなかったが、よい調査地が発見できたので来年度は実施する予定である。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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