2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17406003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 美千穂 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (30283592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 義昭 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00093310)
木内 文之 医薬基盤研究所, 薬用植物資源研究センター, センター長 (60161402)
北山 隆 近畿大学, 農学部, 助教授 (00278730)
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Keywords | 国際研究者交流 / ラオス:ベトナム:タイ / 民間伝承薬 / フィールドワーク / ジンコウ / シナモン / シソ / 薬用資源植物 |
Research Abstract |
本年度は本研究開始1年目であるので、研究期間中に現地調査を行う予定のベトナム、タイ、ラオスの3カ国のうち、これまでに調査経験の無いラオスに重点を置き、予備調査および第1回現地調査を行った。 ラオスの予備調査は、2005年9月2日から9月10日までの9日間を使い、ビエンチャン在住の現地研究協力者との懇談、現地協力研究所との協力関係の確認と覚え書きの交換、また、ルアンプラバンからサンニャブリ周辺地域の植生の観察とジンコウ油蒸留工場での聞き取り調査、等を行った。ラオスは非常に多くの山地民族で構成されており、民族が異なると使用言語も異なり、生活習慣や食習慣も異なってくる。ビエンチャンでは、近代化、電化が進むのに従って、薬用植物の利用や伝統食の習慣は急速に消えつつあるが、地方の村々ではまだ残されており、薬用植物の利用やジンコウの扱い、シソ(エゴマ)の食習慣についても訪問した村ごとに特色があった。特に、薬用植物の利用知識は特別なヒーラーでなくても、多少は持っており、調査対象として興味深いテーマであると確認した。 帰国後は現地研究所と電子メールによる連絡を取り合って準備を行い、第1回の調査を2006年1月26日から2月8日の2週間で行った。ビエンチャンで現地研究協力者たちと合流、ルアンプラバン、ウドムサイを経由、最北部にあるフォンサリへ入り、ここで聞き取り調査と資料収集を行った。具体的には、域内の比較的大きい村を調査地に選び、村内のヒーラーを探し出してインタビューを行い、さらにヒーラーたちが使う薬用植物を実際に一緒に山で採集した。後半では、東部のシェンクアンへ入り、同様にヒーラーへのインタビューと薬用材料の収集を行った。さらに、この地域のモン族が販売している生薬類30種余について、名称や用法の情報とともに入手した。現在は、これらサンプルの植物学的同定作業と各種活性スクリーニングを進めている。
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