2007 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおける漢薬資源の調査と薬用植物の多様性の解析
Project/Area Number |
17406004
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小松 かつ子 University of Toyama, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (50225570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 征雄 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (40126545)
田中 謙 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (60418689)
東田 千尋 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 助教 (10272931)
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Keywords | 薬用植物 / 漢薬 / 分子系統学 / 品質評価 / 認知症 / 抗炎症作用 / 国際研究者交流 / 中国:モンゴル:タイ |
Research Abstract |
1.学術調査 中国の甘粛、四川、青海省でRheum属植物と大黄、湖北省でEleutherococcus属植物の調査を行い、74点の植物と87点の生薬(道地薬材)を収集した。 2.遺伝的・成分化学的多様性 (1)大黄:matK遺伝子にはRheum palmatumに4系統(I-IV)22遺伝子型、R. tanguticumに1系統4遺伝子型、R. officinaleに1系統3遺伝子型があり、各遺伝子型は地域特異性を示した。この結果からかつて日本に導入されたR. tanguticum の原産地は青海省祁連山系と推定した。28成分の組成と含量から、R. palmatumのI系統由来大黄が良品質でR. tanguticum由来大黄がこれに次ぐことが明らかになった。 (2)刺五加:Eleutherococcus senticosusのtrnK遺伝子には15遺伝子型があった。同種の根茎はeleutheroside B、 eleutheroside Eをそれぞれ0.01〜0.25%、0.01〜0.13%含有し、吉林省及び黒龍江省北西部産は両成分が0.05%以上で良品質であった。 (3)麻黄:モンゴル産Ephedra属8種には18SrRNA-trnK遺伝子に14遺伝子型があり、南西部で雑種形成が示唆された。同属植物の多くがephedrine alkaloidsを1.5%以上含有した。 (4)タイ産Curcuma属植物:約50検体にはtrnK遺伝子に9遺伝子型があり、根茎の精油粗成には9タイプがあった。3種の生薬にクルクミノイドが含有され、その内C. longa由来生薬には2.8〜10.5%含まれbisdemethoxycurcuminの含量が高いという特徴があった。 3.薬理作用と活性成分(1)抗認知症作用:ラット大脳皮質神経細胞にAβ(25-35)を処置して神経突起の萎縮等を誘発させた。Aβ(25-35)と同時に刺五加含有3成分を処置した結果、eleutheroside B(0.1μM)に軸索と樹状突起の伸展作用が認められた。(2)抗炎症作用:Curcuma phaeocaulis由来技術の計量化学的活性解析により、COX-2阻害活性成分としてfuranodienoneとcurcumenolを同定した。
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Research Products
(16 results)