2008 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴル人の血中酸化ストレス度・抗酸化能から見た老化の診断と日本人の抗老化対策
Project/Area Number |
17406006
|
Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
香川 靖雄 Kagawa Nutrition University, 栄養学部, 教授 (30048962)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 文夫 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (10014250)
|
Keywords | モンゴル / 酸化ストレス度 / 抗酸化能 / 老化・抗老化 / 平均寿命 / 微量金属 / マンガン / 食事調査 |
Research Abstract |
『目的』動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病などの生活習慣病の増加は高齢化社会にある日本の重大な社会・医療問題である。これらの生活習慣病は活性酸素がかなりの要因をなしている。モンゴル人は日本人に比べ平均寿命が男女とも15歳以上短い。モンゴル人の短寿命の要因を明らかにすることによって日本人の生活習慣病の予防や抗老化対策が見えてくると思われ、研究を進めた。これまでモンゴル人は日本人に比べ酸化ストレス度が非常に高いことを報告した。この高い酸化ストレスは、野菜や果物などの抗酸化能食品をほとんど摂取しないことに原因すると予測されたが、実際は抗酸化能はむしろ高かった。そこで本年度はその理由を明らかにするため毛髪中の微量金属を測定した。 『方法』調査はモンゴル国北部のムルン市で行った。食生活調査、身体計測、血清脂質、酸化ストレス度、それに毛髪中の微量金属を測定した。 『結果』食生活調査、身体計測、血清脂質、酸化ストレス度は前年までと同様であった。抗酸化能は日本人よりむしろ高く、毛髪中の微量金属は、マンガンが日本人基準値の40倍の蓄積を示し、鉄も高く、他に鉛、カドミウム、アルミニウム、砒素などの有害金属も高かった。マンガンの高い例は酸化ストレス度も高かった。 『結論』モンゴル人の高い酸化ストレス度には食生活だけでなく、微量金属が関与すると思われた。さらに有害金属も老化に影響している可能性がある。今後このことを日本人に当てはめた場合どうなるかを研究したい。
|
Research Products
(4 results)