2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトにおける1-ブロモプロパン中枢神経毒性と量-反応関係に関する疫学的研究
Project/Area Number |
17406017
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
市原 学 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (90252238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉腰 暁子 国立長寿医療センター, 疫学研究部, 研究員 (90236737)
八谷 寛 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (30324437)
山本 直彦 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (40220488)
山本 敏充 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50260592)
市原 佐保子 三重大学, 生命科学研究支援センター, 助手 (20378326)
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Keywords | 1-ブロモプロパン / 感受性 / マイクロアレイ / 神経毒性 / GST |
Research Abstract |
中国山東省にある1-ブロモプロパン製造に従事する25人(男性17人、女性8人)の労働者および、対照群として、製鉄工場労働者25人の健康調査を行った。具体的には、運動神経伝導速度、遠位潜時測定、血液学的、生化学的検査(総蛋白、コレステロール、ALT、AST、LDH、ALP、CK、テストステロン、エストラジオール、LH、FSH、クレアチニン、フェリチン、フルクトサミン)である。健康調査は、名古屋大学医学部倫理委員会の承認を受け、文書によるインフォームドコンセントを得た後に行った。その中から性年齢をマッチさせた18人ずつを選び出し結果を解析した。男性でplt分布cv、女性でMCH、MCHC、RBC分布SDにおいて有意に減少していた。その他の指標について有意差は認められなかった。検知管による各場所での1-ブロモプロパンの濃度測定では、平均、標準偏差がそれぞれ、反応釜(左)では6.83、5.16、反応釜(右)では1.1、2.2、操作台(左)では4,52、2,84、操作台(右)では2.62、2,63であった.調査を行った工場での曝露濃度は10ppm以下であった。今回の結果から、下肢の運動神経については電気生理学的には異常が認められなかった。過去の論文によると、50ppm以下の濃度での影響が報告されている。今回は濃度が低いため影響が出なかったと考えられる。人体への影響を及ぼす濃度の閾値についてはさらなる調査が必要である。
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Research Products
(6 results)