2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本人か韓国人におけるUGT遺伝子変異と乳がん・骨粗鬆症発生の関連性
Project/Area Number |
17406020
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
李 明鎭 神戸大学, 医学系研究科, 講師 (20273766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 久英 神戸大学, 医学系研究科, 教授 (80189258)
綾木 仁 神戸大学, 医学系研究科, 助教授 (80222701)
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Keywords | 日本人 / 韓国人 / 乳がん / UGT遺伝子 / G71R |
Research Abstract |
体内のエストロゲン代謝に関与するUDP-グルクロニルトランスフェラーゼ(UGT)の遺伝子変異は乳がんの発生に影響を与える可能性がある。UGT遺伝子はUGT1とUGT2のファミリーで構成され、酵素活性を低下させる様々な遺伝子変異が見つかっており、その一部変異の発生頻度は民族によって異なる。研究者らは、日本人と韓国人の両民族におけるUGT遺伝子変異を調査・解析し、乳がん発生との関連性を解明するための研究を行った。 本年度には以下の実験を行った。 1.変異UGT1A1酵素活性の検討 G71R変異を導入したUGT1A1遺伝子の発現クロンを構築し、変異UGT1A1酵素を作製した。17β-エストラジオールを気質としてグルクロン酸包合能を測定した結果、G71R変異酵素の活性は正常酵素の30%と低下していることが明らかになった。 2.日本人と韓国人のDNA試料の調製 韓国の研究協力者(東亜大学医学部)から、韓国人の乳がん患者のホルマリン固定パラフィン包埋組織(FFPE)試料と健常者のDNA試料の提供を受けた。FFPE試料はDNA抽出に用いた。日本人の試料は、神戸大学病院消化器外科学分野の協力を得て、乳がん患者および健常者から採血を行い、DNAを抽出した。 3.DHPLCを用いたG71R変異のスクリーニングシステムの構築 東アジア人に多く存在するとされるUGT1A1遺伝子のG71R変異を検出するために、採取した乳がん患者と健常者のDNAを用いて、G71R変異部位を含むエクソン1の領域をPCRで増幅し、遺伝子変異検出システムであるDHPLCにて解析を行った。
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