2006 Fiscal Year Annual Research Report
西ニューギニア地域における、神経難病の実態に関する研究
Project/Area Number |
17406024
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
奥宮 清人 総合地球環境学研究所, 研究部, 助教授 (20253346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 公蔵 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70190494)
葛原 茂樹 三重大学, 医学部, 教授 (70111383)
小久保 康昌 三重大学, 医学部, 助手 (60263000)
EVA Garcia Del Saz 高知大学, 国際地域連携センター, 助手 (10294828)
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Keywords | 西ニューギニア / 筋萎縮性側索硬化症 / パーキンソン症候群 |
Research Abstract |
1970年代に、Gajdusekらにより、インドネシア・西ニューギニア(現パプア州)が、筋萎縮性側索硬化症(ALS)とParkinson-dementiaの多発地域として報告された。しかし、その後の報告は少なく、現状は明らかでない。今年度の目的は、西ニューギニアのカウンターパートのチェンデラワシ大学との協力のもと、地域住民の疫学的サーベイをおこない、神経難病の頻度を明らかにし、神経学的特徴:を明らかにすることである。 西ニューギニア地域のバデ周辺、イア河流域の、主に、Auyu族、Yakai族の村を訪問し、神経内科医による診察と、聞き取り調査を施行した。2007年の調査の対象地域の人口は、7100人で、65人(0.9%)の住民を診察し、そのうち41人が神経疾患を有していた。神経疾患の内訳は、パーキンソン症候群6例(15%)、運動ニューロン疾患および関連疾患6例(15%)、脳血管疾患10例(24%)、他の神経疾患は18例であった。臨床所見より以下のいくつかの知見を得た。脊椎変形を伴うALSやミエロパチーを少なからず認めた。 今回の運動ニューロン疾患の症例の約半数に家族歴を有し、1例に認知症の合併を認めた。パーキンソン徴候の合併は認めなかった。パーキンソン症候群の患者の約4割と高頻度に上位運動ニューロン徴候を認め、2割に家族歴を、2割に認知症を認めた。 【結論】西ニューギニア地域は、現在においても、運動ニューロン疾患および関連疾患は多発している。疫学や病因の解明に向けて、今後も調査の続行を要する
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Research Products
(18 results)